安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


-------- ----------------------------------
『チャールス、母は欠席します』
------------------------------------------
〈 Thu, 24 Feb 2005 〉


2月11日にチャールズとカミラ.ボウルズの再婚を,それは好意的にコラムしました。カミラさんはダイアナさんを比べてどっちが魅力的か、こういうことは個人の趣味に属する。我が趣味はカミラさんがいい。で、お喜びを書いてからその後の挙式のはこびが脱線しておかしなことになってきた。掲示板の続きとしてよんでください。

●予定変更
>結婚式はウインザー城で簡略に市民結婚式おこなわれ、それに先立ち、カンタベリー大主教による祈りの式典が城内の聖ジョージ礼拝堂である。<(11日コラム)
以上はエリザベス女王、チャールス皇太子、ブレア首相、カンタベリー大主教が同意して決まり、発表された式次第である。

さて、実務官僚たちが準備にかかると障害にぶつかった。ウインザー城のホールは挙式のライセンスを持っていない。市役所で許可を貰うのは簡単だが、そうすると結婚式場として一般市民にも3年間はオープンする規則がある。王室のお城内をドヤドヤ雑多な一般人に占領されてはたまらんですからね。

じゃ、特令措置すりゃいいのに、そのへんがイギリスは煩雑らしく、チャールズはお気軽に民公会堂に変更した。このときもエリザベスが同意している。チャールズだってお母さんがどんな人か知っているんで、女王が市公会堂での結婚式には出ないことを了承していたんですな。女王は『慌てて決めずによく選択肢を極めてからにしなさい』、といったかどうか、チャールスに不満だったと伝えられる。そうでしょう。

●英国国教会が認めない再婚者の挙式、
日本皇室の儀式が神道に沿って執り行われるように、英皇室は英国国教会の儀式による。ところがチャールスとカミラのように両方が再婚の挙式は英国国教会でさせてくれない。その教則だか教理は絶対だから、はじめっから話にならない。そんなことイギリス人なら百も承知なので報道しないが、そういうわけで市民結婚式に続いてウインザーのチャペルで行われる式は献納礼拝なのである。挙式はだめ、祝福しますという理屈。

女王は大主教が司祭する献納礼拝とそのあとのレセプションに出席されるものの、市民ホールの結婚式には欠席する旨、昨日報じられてから憶測やら怒りやら、スナブ(snub、冷たい仕打ち、ツラあて)論争が巻き起こって、ブログを覗くとあるわあるわ、みんなすきだな。チャールスは王位をウイリアム王子にゆずれ、カミラはダイアナを引き裂いた悪女、威張るな女王、おまえが出ようが出まいが知ったことか、などなど言いたい放題にキリがない。

●市民結婚は皇室にも有効とにげる
騒ぎが大きくなったので、最高裁長官にあたる大法官が婚姻法の長い歴史的変遷をひもといて皇室の市民婚が有効であること、女王は控えめな式を望んでおられると、公式見解を繰り返した。また四角定規なことをくだらない。私感は>そういうところへおめおめと女王が参列できるかってんだ<。掲示板に書いたとおりです。欧州王家の賓客を呼べるところじゃない。

エリザベス皇太后は熟慮の末、皇室のケジメと神聖な矜持を護られたとおもう。内外に毅然としたゆるぎない王室を示すことによって今後の王室外交の権威失墜を防いだのです。

結婚式にはチャールズの二人のプリンスとカミラの子供たちが参列するが、チャールズの両親弟妹みな来ない。その方が無難だろう。ほとぼりが冷めたら女王家族の団らんがみられることでしょう。

●暢気なチャールスとカミラの前倒し新婚旅行
月曜日からチャールスとカミラはツナミ慰問にスリランカへ、さらにオーストラリア、ニュージランドとフィージーへ3月11日までお出かけだ。結婚式を4月8日に控えて、新婚旅行の前倒しでしょうか、ちゃっかりしてるな。クイーンマザーが怒るのもむりはない。(了)

余談:女王は市公会堂というのはギルド・ホールとよばれるその名の通り中世ギルド(高校の教科書で商人結社と教わった、いまでいうなら商工会議所)1600年代の時代がかった建物らしい。
   



Pnorama Box制作委員会

ひとこと言いたいなんでも・掲示板へ
筆者へのmailはこちらまで
HOMEへ戻る