安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ブッシュ訪欧、気詰まりな成果
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〈 Wed, 23 Feb 2005 〉


●ブリュッセルの失笑
ブリュッセルに到着したブッシュ、朝食をブレアと共にウォーミングアップしたまではよかったが、NATO首脳会議での演説は乗ってこない雰囲気に自信がゆらいだ表情はかくせない。
こういうときのブッシュには目をしょぼつかせしばたく回数が増える。NATOでの演説は大統領選でケリーと最初の討論でやったいばたき回数につぐもの。就任演説や教書演説の自信にみちた米大統領ではなかった。爆笑を狙ったテキトはどちらかというと失笑ではなかったか、ブッシュだって敏感だから苦笑いしちゃってました。ファンといたしましては「お父さん可哀そう」、肩をたたいて励ましてやりたいところです。

特にブッシュ・シラク会談をおえて記者会見に現れた二人の表情は顔をそむけたるなるほどで、どちらも繕うのは上手だけれどシラクさんはブッシュを軽蔑してるな。あの握手の前後をみてください、やっぱりとおもうよ。次はシュレーダーと個別会談をする、どうなりますことやら。 

●関係改善を演出する首脳たち
ライス国務長官の根回しと、ラムズフェルド国防長官がNATO国防相会議でイラク支援をとりつけているので欧州トップの表向きはよいが、仏・独・西から積極的に関係修復をはかる政策はあるか?ない。イラクの治安に貢献すればいっぺんに大西洋ギャップは埋まるのであって、従来のイラク支援、官僚と治安要員の訓練を、それも大部分はイラク国外で行う継続支援を決定したにすぎない。大手術の器具がほしいイラク病院に絆創膏と軟膏を送るような支援です。

欧州は米の関係修復を待つまでもなく、予想外だったブッシュ再選に愕然。米民主党はブッシュ再選に愕然とし、考えを変えなきゃとの漠然としたおもいがある。欧州は自尊心がじゃまをして考えを変えるなどもってのほか。ただし、表向きの態度を改めるにやぶさかではない。これから先4年つきあうブッシュ政権という現実を前に政治的配慮です。また中東、イラクが好転しつつあるいま、米と歩調を取りやすくなった環境がある。

世界観は持続する欧州なのである。欧州の視点にたてば、行いがもとで仲違いしたともだちと、どだい言葉だけで仲直りしようという態度が気に食わん。その意味で、みかけはともかくブッシュ訪欧の意図は空振り、ま、次の打席もあることだから飽きずにトライするでしょう。
●ロシアと中国を警戒するブッシュ
ブッシュ演説のなかで、やや驚いた発言はロシアと中国、二つの大国をいわば敵視した警戒観。居並ぶNATOお歴々に面と向かってEUの対中国武器輸出を牽制、プーチンのメディア圧力、民主化への後退を非難したこと。これは米国内向けのジェスチャーでもあるが、両国と良好なあいだがらにある欧州にたいして勇気ある発言だ。そうはいってもプーチンさんに民主化を言ってもカエルのツラになんとか、ことロシアの国内情に関しては物別れにおわる。(了)

余談:中国に武器を売っているイスラエルを米は非難しているが表沙汰にしない。町村外相がさきの中東訪問時、シャロンに中国へ武器を輸出しないように要請した。尤もです。
   



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