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北朝鮮核保有宣言につまずいた愚図の国
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〈 Mon, 14 Feb 2005 〉
●Marginal tactics
昨年夏から北朝鮮は6カ国協議をサボってきた。ブッシュが再選されないと見込んで、しかもケリーは米朝2国間協議をすると公約しているのだからサボリ待ちするのは当然。しかるに結果はブッシュ再選、ギャフンもうダメだ・・・そういうタイミングで「もう行かない、核あるぞ」と、はんぶんは自分に苛立つている。先方としては堪忍袋の緒がきれたギリギリの「瀬戸際外交」Marginal Tactics である。 理由としてブッシュの二つの施政演説、大統領就任式と年頭一般教書にある「圧政の終焉」Ending of Tyrannyと、国務長官指名承認審議におけるライスの発言、キューバ、ミャンマー、 北朝鮮、イラン、ベラルーシ,ジンバブエを「圧政の拠点」Outposts of Tyrannyと規定した ことだろう。北のいう敵視政策である。けれども、北とは対話、関係国と連携というブッシュ2期めの基本政策を無視している。まいどのことですが、北のいい分は思いつき場当たりだが、過去の同意に立ち返ったりするので一貫しているように見せかけるのがご愛嬌。 ●核保有から核武装へのタイミング 2202年 濃縮ウラン型核兵器保有を認める(のち否定するがあるとされる) 2003年 使用済み核燃料棒8000本の再処理終了宣言(プルトニウム型5〜6コ可能) 2004年 米の核科学者を含む寧辺視察団が「らしき物体」を見せられる(?) 進み具合からマキシに判ずると、昨年中に核弾頭生産行程がほぼ完了したとおもわれる。開発が核保有を宣言できるちょうどよいタイミングと重なった。しかし核兵器を増産するといっても、燃料はどうやって手に入れる?闇の天然ウランゲートでもあるのかしら? インドとパキスタンは高い禿げ山で実験した。フランスは新型を飛び地の島ムルロワで2度おこなった。イギリスは最近トンと実験していない。米は地下で爆発させずに高度な実験ですませる。北朝鮮国内でも地下実験できる辺鄙な場所はあるだろうが、はて。 北の核弾頭が飛んでくる心配の無い遠く離れた欧州ではまるで注目されなかった。実験もせずに有るなんて世界に宣言する国は聞いたことがないと、そっけないコメントがあったが、言われてみればそうだよね。最近の北はミサイル実験もしていない。メンツにこだわる北が自爆するような核兵器を実験するはずがないので、その意味ではブラフと断定してよい。また実験は北朝鮮の盟友中・韓・ロを失い、国際的な経済制裁への道を開くことくらい、北は先刻承知だ。瀬戸際外交ばっかりやってると、超えてはならない一線を嗅ぎ付けるワザが超一流になっております。難儀なことよのう。 実際、各国対応に難儀している。中国にも寝耳に水だったようで、普段は北をかばう国営TVが協議に戻るよう、米に攻撃されたくないなら核を放棄せよと諭し、インターネットのチャットに出る北朝鮮批判を政府検閲が閉鎖せずに泳がせている。ロシアは北をスターリニストと呼んでたしなめているほど。だが韓国ノムヒョンは北が何をしても、ビジネス交流促進、宥和政策ノーテンキではなしにならん。米は冷静だが、関係国がブレないよう協議継続と結束を確認するためいささか慌て気味だ。 ●結束に拘束される日本 北の脅しは通用しないと……怒るのはいいが、米の結束念押しが日本に副作用を及ぼす。拉致問題をかかえる日本に重くのしかかります。北朝鮮経済制裁は米中露の反対を前に阿部さんも後退を余儀なくされるだろう。小泉首相はもともと米に気兼ねして制裁には気乗りウスですから発動はありえない。改正油濁法は環境問題として効力あるだろう。小生のいいたいのは圧力でなく制裁と、それを解除したあとの一皮むけた関係修復にあった。 じっくり圧力より、世界に北の非道を知らせるためにも制裁をすぐさま警告すべき。こういう措置はいたって機械的に手早くステップを踏んで繰り出すべきで、実際にはザル法でもよいのです。確固たる意思表示を日本が発信するチャンスだったがな〜。ホント、日本ってぜんぜん面白くない国。ときどき思うのです……わけのわからん愚図の大忙し。(了) 追記:北朝鮮の核問題を国連安保理にはかることはこれまでも中国の猛反対でつぶれてきた。ライス国務長官は中国とことをかまえる気は毛頭ない。ブッシュはこの件をすべてライス長官にまるなげして達観のかまえです。 |