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ブッシュ2期めのアジェンダ(1)経済
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〈 Sat, 05 Feb 2005 〉
今日から一般教書演説の内容をテーマごとにしばらく追ってみたい。ブッシュ政権2期めのアジェンダ、さらにその後の方向をさぐるというか、演説外の新情報も取り入れながら自分で理解したいと思うのです。
『アメリカの経済は主要先進産業国で最も高い成長を記録した。過去4年間で所得税を下げ、景気低迷をのりこえ、海外市場を拡大、企業犯罪を取り締まり、史上最高の持ち家率を達成、昨年だけで230万の雇用を創出した』。 America's economy is the fastest growing of any major industrialized nation. In the past four years, we have provided tax relief to every person who pays income taxes, overcome a recession, opened up new markets abroad, prosecuted corporate criminals, raised homeownership to the highest level in history, and in the last year alone, the United States has added 2.3 million new jobs. と、ブッシュはアメリカ経済をかく語りました。ホントかな?て、しぜんに首がかしぎます。でも、中国は主要先進産業国にはいれない構造だからこういう言い方は成り立つ。中国の経済力と9%の成長率が脅威でないはずはないのだが、ロンドンG7に招聘されても、元切り上げに要求に応じるシルシはない。パテント、著作権、ビジネス倫理等々先進国にあるまじき慣行がまかり通る国である。ま、その不備なあたりがおもしろく元気がでるうちが花。 ●高くつく米兵 話を戻そう。ブッシュの言うとおりとしてです、3年来右落ちグラフのドル安は気になりませんか、財政赤字だってクリントン時代の黒字から急激に赤字へ赤字へが止まらない。徐々にマイナスが膨らんだのならともかく、やはりイラク出費がヒビイイている。これから兵隊さんの給料を倍増し、戦死者家族への慰労金を8倍、アフガン戦争の犠牲者にさかのぼって8倍ですぞ。イラク派兵来年の補正予算追加を議会に提出したのかするところ。歯止めがない。しかも増税ナシでやるんだから。「トンボとり今日はどこまで行ったやら」 雇用の面ではたしかに大方の予想より好転した。失業率5.2%は日本と同じで文句言ったらバチがあたるくらいありがたい数字です。アメリカが230万の勤め先や自営業を切り開いたあいだ、ドイツでは失業率12%、500万人を超える勢いです。これが東西ドイツ統一の結果である。西ドイツのままならIT,カメラ、携帯、コピー機、液晶、プラズマ、産業ロボットなど先端一般消費製品開発に日本がリードできたか、はなはだ疑問だ。韓国は統一を言わなくなった。統一による足かせ・お荷物はドイツより条件的に厄介です。 ●税金をムダにしない ブッシュは『2009年に財政赤字を半減する』予算を来週提出する。その手段は役立たずでムダな省庁推進のプログラムを全部廃止、全部で150くらいの政府計画を葬る。結果のでないもの、XX実施計画とかXX実体調査もの、翌年もなんとなくバラまかれる継続ものをカットしようという大ナタです。『原則は明白、納税者のドルは賢明に使わねばなりません』。いやまったく一点のくもりもない。 文字通り5年で赤字を半減できるとはにわかに信じられませんが、行政改革をダーっとやる実行力はスゴミがある。「改革なくして・・」とイキがるものの何年も「発展」しない国とちがって、いかにも政治のスピードとダイナミズムが感じられる。ここはブッシュがんばれです。 ●いつのまにか金利が2.5 0.25ポイントずつ小刻みに上げ下げ「微調整」できるのは、金融システムが健全だからでしょうか。石油高がもとにもどらないのはドル安のせいもある。石油取引はあいかわらずドル建てが基本、米にとってもドル持ち赤字国である日本にとってもドル高は好ましい。 |