安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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支持を伸ばしたブッシュ2期めの一般教書演説
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〈 Fri, 04 Feb 2005 〉


●期待以上のデキ
ブッシュの一般教書演説はこれで4度目。昨年は大統領選前哨戦のような嫌悪な雰囲気で『国割り演説、共和党の選挙大会みたいなもの』と感想を書いたようにおもう。実際昨年の一般教書演説を「良い」としたひとは50%を切ったのである。ことしは僅差で破れた民主党がすっかりシラケてしまう議場を想像して、わたしあまり期待していなかった。それが案外そうでもなく、結構民主党も拍手しているではないか。

大統領のパワフルな演説のなかで何がアメリカ国民にうけたのか、一口にいえるとしたらすべての分野で『無類に強いアメリカ』を攻撃的言辞をつかわないで印象づけたこと、だとおもう。

ブッシュ50数分の演説の途中、拍手で60回ぐらい中断された。共和党席と傍聴席は殆どスタンディング・オーベーション(起立拍手)であるが、民主党議員席でも4〜5回に1度は立っている。共感できる意見には党派をはなれて賛同するフェアプレーが、すくなくともこの日のコングレスホールに復活した。始まって早々、『結果のでないムダな公共プログラムを廃止する予算』のところではジョン・ケリーですら立ち上がって手を叩いていました。そうこなくちゃ。

昨年と変わったことといえばパウエルさんの姿が消え、昨年はたしか留守番コマンドとしてホワイトハウスに詰めていたライス長官が演壇のいちばん近くに座っている。となりにスノウ財務長官がラムズフェルドより上席にいるが、たぶんお金に関わる国内問題が軍隊より大きなテーマだからと勘ぐってみました。

ヒラリー・クリントンは相変わらず形ばかりの拍手を必ずつきあう如才のなさ。昨年苦りきっていたエドワード・ケネディの姿が見えないが、欠席か。ローラ夫人のとなりの市民的女性は感じで演説に登場するゲストだとわかる。このイラク人と海兵隊の息子をファルージャで失った両親が感激ストーリーの立役者でした。無情にかくいうわたしもブッシュ同様ウルルになるくらい。

●好感77%を示すギャラップ調査
翌日まのギャラップ調査では全体として「好感」が77%、ブッシュ寄りのフォックスニュース調査は82%を記録した。ウウーム。それは歴史的な大統領演説を意味する。こんにちの米大統領は2期までである。そのため2期めにあたっては長期的ヴィジョンを次代に残し、名を残すべく、いわゆるプレジデンシャル・レガシー(大統領の政治的遺産)に野心を燃やすと、いまいちピンとこない説が常識のようになっていたが、そんなものですかね。

しかるに演説を聴き、マニュスを見直してレガシーね、腕組みしていると茫洋ながら少しわかった気がする。ブッシュが世界に自由と解放を導いた偉大な大統領とよばれるようになるか、そんなだいそれたこと現時点では判りっこない。とはいえ自由と解放をコール(神の声)、ミッションと自任しているブッシュの信条は疑いようもない。(了)

おまけ:例によって一般教書マニュスをワードに移して多用言葉を数えてみました:
TERROR,-ISM,-IST テロ,テロリズム,テロリスト……27、 FREEDOM 自由……21、
DEMOCRACY,-TIC 民主主義,民主的 ……14、 LIBERTY 解放……7
   



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