安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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イラク国民議会選挙を追う(2)フェステイバル気分
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〈 Mon, 31 Jan 2005 〉


●バグダッドの勇気ある人々
バグダッドの投票所に並ぶイラク人、別の列には黒装束の女性たちが静かに投票をっている。こんな光景が連日のボンブに犠牲者が出るバグダッドでおこるとはオドロキ、期待以上、、夢心地です。先回、全国平均60パーセント前後と予想したが、あれは相当思い切った数字だったなのです。主要メディアが沈黙し、米もアルジャジーラも60%イケルとおもっていなかった。

結果、イラク選管が概数800万人が投票したと明らかにし、有権者1280万人だから62. 5%になる。在外登録者投票ではヨルダンが90%、平均で70%あるもよう。

イラク国内ではクルド地区が80%、南部の港湾都市バスラでは90%にものぼった。ここはスンニ住民も少くない。したがって、治安さえよければ全国各地でも90%に達っすることを意味し、バスラはそれを証明したといえる。隠されたイラク市民の選挙にかける意気込みをかるくみてはならない。アフガニスタンで、パレスチナで示された人々の選挙にかける意欲、自分たちの政府を望む意欲がやはりイラクにも強かった。ま、よそ者したり顔に何をほざくかとイラク人に怒鳴られるそうですが、偽りのない感慨である。

バグダッドでは危険を承知でシーアや、クリスチャンが投票にあらわれた。誰に投票したか、出口インタビューにほとんどが【アラウイ】と答えている。我が意を得たりです。やはりアラウイ首相のタフネスと指導力が広く浸透していたわけだ。アラウイは織田信長の速攻と家康の慎重さを兼ね備えた傑物、もとバース党員ですがノーベル平和賞三つに値する。

●アラウイ躍進
アラウイが亡命設立した亡命政党【国民合意】をもとに今回の選挙では【イラク ・リスト】の名で233人の候補者を登録。シーアとスン二の穏健派混合政党である。一方、大アヤトラ・シスタニを後光に、革命評議会議長ハキム師が主催する【統一イラク連合】は75〜80議席くらい獲得するだろうか。最大与党になることは確実としても、非宗教政党であるアラウイの躍進によってイラクがイスラム宗教政治にはしるまと外れの懸念は払拭された。イラン型の宗教政体になると深刻に警告したスカタンはカーター前大統領でした。ハハハ。

当地北欧の論評はたとえば選挙前日の見出し【血の日曜日、ブッシュにビンタ】など、米政策への悲観論一色でした。当地TVの特派員が【選挙はアメリカの演出、投票率はまだわからない】と吐かしおった。イラクはフェスティバル気分というのに往生の悪いヤツだ。 

日曜はサーモンのまるごと蒸し焼きを(料理がかんたんだから)客と4人で食べ始め、ワインからコニャックへと9時までやった勢いもあって、夢心地。一眠りしたところで書きました 。もう一度寝よう、いい日でした。

おっと、イラク党のヤワルを忘れていました。ボイコットしたスンニの意見を仲介する貴重な存在として今以上に発言力を増すだろう。新国民議会は3月初めには大統領、首相、閣僚を選出し、憲法草案、承認、総選挙と困難なハードルを超えねばならない。日本国憲法はマッカーサーが民政局事務員さんクラスに命令して一週間で編集した経緯がある。イラクははるかに自前の憲法を作る幸せを理解してもらいたい。
   



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