安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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イラク国民議会選挙への日々
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〈 Fri, 28 Jan 2005 〉


●クレイもやりますねぇ〜
パレスチナでは銃を持って繁華街を歩く過激派の姿がふつうである。さきの議長選挙ににアルアクサのリーダーたち数人が自動小銃を肩に投票所に来ていた。アッバスが治安警察配置につづいて、今度はクレイ首相が武器携行許可を受けていない者の携行外出を禁止する法令を出しました。どういう手合いが携行許可を受けているのか,ハマスの治安要員などはOKなのか情報が無いが,民間人の武器携行は禁止される。もう祝い事の景気づけにパンパン撃ちならせないのだ。よかった。

同日,シャロンがテロと暴力に向き合う総括的なパレスチナ側の一連の措置に『ロードマップを前進させる条件は熟した』と,首脳会談に期待を表明した。2月初めにライス国務長官が顔見せ興行に中東を一巡する。この調子でいけば顔見せ以上の後押しになります。アッバスクレイ新体制になって急激に進展した。アラファト逝ってホントよかったな〜、つくづく感無料です。

実際、過激派に対する一連の措置は,過激派の支持を利用するアラファト時代には考えられなかった。もし武装組織を取り締まると内乱になるとか,もっともらしい理由が西側のメディアや、特にEU外交部長のソラナなどが賛成しおって……膠着状態が長引いたのでした。

内乱は起こらない。絶対に起こらない。内乱とは相対する武装勢力が国を割っている場合に起こるのであり,片方が大多数の支持をバックにする政府では試合にならない。政府へのテロ攻撃はあっても内乱,市民戦争にはなりえないのです。

●シーアとスンニは戦争しない
おなじことがイラクにも当てはまる。報復を控えていたシーアたちが政権をとれば、スンニの反乱軍と応戦,内戦に発展すると唱える論評にわたしゃついてけない。あれは西洋人の考え方だ。イラクはバルカンのようになリマせん。スンニとシーアはバルカンの異民族異宗教ほど差はない。言葉が同じで同じイスラム,セクトが違うくらいで殺し合いはしない。統治者であったサッダム残党のテロは続くとしても、市民戦争など起こりえない。

唐突ですが,05年米大統領選挙のような接戦と政策の違いと互いに汚い罵りあいの応酬が冷戦時代にあったなら,ソ連と中国の報道はいまにもアメリカで内乱がおこるような論評があったはず。高度成長期の日本を評して圧力釜のテンションが限界にあり,発展に取り残された市民が爆発するだろうという外国人のウスッペラな日本評論が50〜60年代に売れた。なにをかくそう、わたしそんな本をよんで感心していたのを,いま癪に触る。だから中国はもうすぐパンクするなんて言わない。いい句思いつきました「傍観者の迷惑に立って語るなかれ」。

●自由・解放・民主主義はよそ者の禁句
コンドリーサ・ライス新長官が国務省に初登庁,いい雰囲気で迎えられなによりでした。スピーチにまたまた出ました『自由と解放のためアメリカは立つ!』ライスさん上院審問ではだいぶ民主党カゲキ議員にイジメられましたから,かたい諾意がはしばしに見受けられます。笑いをさそったのは退場のセリフ『それでは,わたしのオフィスどこかしら,探しに行きますので……』。

しかしイラク市民のあいだでは「自由と解放」が2番めに聞きたくない言葉です、サッダムのくびきから解放され自由になったといわれても全然おいしい味がしない。交通規制やボディーチェック、夜中に踏み込まれたりでは自由もへったくれもあったものではない。そして一番きらいな言葉が民主主義,『デモクラシー,ッペ』ですわ。それより電気と水道,壊れた家の補償、ガソリン、治安、仕事、、生活問題が先決だ!

しかるに内心では自由・解放・民主社会を望んでいるので。現状を無視して占領者が訓示するから、もやもやいまいましいのである。しかしです,ビラをもって選挙の勧誘にまわる悪意のカケラもない米兵には頭さがる。はて,何割が投票にくるだろうか。(明日は目前の議会選挙について)
   



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