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イラク国民議会総選挙をうらなう(1)
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〈 Thu, 06 Jan 2005 〉
●新年武装派のテロぶりを一覧 数字は死亡者数。
元旦:ロケット攻撃→13 、米兵1。米軍管理区域でレバノン人1。 1月2日:カーボンブとその後の狙撃→イラク治安部隊兵32 。 1月3日:各地で連続爆破→イラク警察17 と治安部隊の3。 1月4日:路肩爆弾2カ所→米兵8、狙撃→米兵1。バグダッド知事の車列を待ち伏せ襲撃→ハオダリ知事とガード8、民間人3。 1月5日:警察学校卒業式にカーボンブ→警官20、バクバで自爆とラマディで襲撃→民間を含む10。 ● 巧妙・大胆になった襲撃 イラク治安部隊と警察、米兵が武装派の襲撃に防ぎようもなく翻弄されている。国民議会選挙にむかってテロ攻撃が盛んになることは言われなくてもわかるが、サッダム正規国軍残兵たちが武装派に集合して増強され、攻撃が巧妙にかつ大胆になったのは予想外でした。ファルージャの失敗(住民が未だに帰れない状況)が武装派に勝利感をもたらし武装集団に参集した結果である。 年末、情報を得てテロ集団のアジトにはいった治安部隊がリモート爆弾で家もろとも爆破された。巧妙になった攻撃の好例である。グリーンゾーン内で攻撃ができるほど内通し諜報に長けている。またカーボンブ、路肩ボンブ、ロケット砲などで爆破する瞬間をヴィデオにおさめてTVで流す。自己顕示ばかりでなく、感激した若者がほう起に加わり、世界中のテロ好きを奮い立たせる実際的効果がある。 ●抵抗勢力20万、中核ファイター4万人 兵に護衛されたバグダッド知事の車列が渋滞にかかる位置で、四方から銃撃して殺害するなどスンニの正規軍崩れがあきらかに加わっている。かと思うとガソリン密売者に見せた人形に警備員が近づいたところをリモート操作で爆破する。世が世ならアイデア賞ものだ。抵抗勢力の数をイラク情報局シャファニ長官は20万人と見積もって周囲を驚かせた。その中核武装集団は4万人とされる。戦いのリングに上がらないテロ集団がこれだけウヨウヨしていたら……ウーム如何せん。 どうも予想外が多すぎ治安維持に期待はずれの連続で、さすがわたしもブッシュのイラク政策支持を書けないのです。米と暫定政権への無能を、そもそも占領のはじめから逐一失敗をあげつらうことはかんたんで、そいじゃこれからどうする?建設的な案がありますか。ないんですよね。 ● 実施か延期か 暫定政権内で割れる ハジム・シャラン国防大臣は30日の選挙に警備ができるか、すっかりガッツを失い延期したくてしようがない。スンニが選挙をボイコットしないようエジプトやガルフ諸国に説得を以来中、つまり泣きついている。スンニ出身のヤワル大統領はいままで30日の選挙は絶対ヤレルとふんばってきたが、ついに延期の運動をはじめた。国連に頼んでどうなるものでもない。ま、同族スンニへのポーズでしょう。 だがブッシュとアラウィは何が何でもやり抜きます。ラムズもそう。スンニがボイコットしても後ろへは引けない。奇策はないが懐柔策はある。次回はそのあたり「選挙は予定通り行われる」を書きます。わたしの思い込みかもしれませんが・・(了) |