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ツナミ地震(4)わりに少ない被害総額
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〈 Tue, 04 Jan 2005 〉
●スンダ海溝の地震は静止した?
関東大震災(1923)による死者145000人を上回る巨大災害になりました。震源地に近いアチェや余震の近くにあるアンデアマン諸島では地震とツナミの両方に見舞われ、ついてないときってあるものですね。 インドネシアの島孤にそってインド洋側にスンダ(またはジャワ)海溝があり、海溝にそって地震が北へ北へと派生している。90年代からフロレス島沖、ジャワ沖というふうにインドネシアの島孤にそって北上し、12月26日のスマトラ沖地震(Mw9.0)へやってきた。そして余震が漸次北上してニコバール島、アンデマンに至る。となればは、スンダ海溝で潜り込むプレートによって起こる地震は一応すべてに分布したことになる。だからしばらくはこのあたりで大地震、ツナミはないだろう。な〜んて素人は楽観的におもうわけです。 ●復興は楽観的 シリーズ一回目に書いたように」おもうが、被害地域のインフラはたかが知れたもんです。復興にはわたしたいへん楽観している。被害地域に産業といえるほどのものはなく、小さな地場産業、センイ工場のほか、昔ながらの農業と漁業です。アナン総長が「復興に5〜10年を要する」と、何を根拠におっしゃいますやらアナンさん、鬼面人を驚かすんじゃありません。しかも「支援額を表明しておいて支払わない国があっても驚かない」。キツイな〜。まその通りでして、バム地震の具体例を上げなくても大国ほどそういう傾向がある。ブッシュはアフリカのエイズ救済と撲滅に巨額支援を約束したものの、あれ殆ど未払いでしょ。 神戸大震災の被害総額は10兆円規模でした。しかるに今回のインド洋ツナミの被害総額はその10分のい1くらいですむと思われる。被害地の経済規模からするとその程度、とそ読むアナリストがいる。現在各国からの支援金が少なくて20億ドル、今後ライブエイドのような支援コンサートが世界中ではやり、増加する一方の募金など合わせるとすでに30億ドルはカタイ。 観光地プーケットはツナミ4日目にして砂浜が整備され、ビーチに人がもどった。ちょっとさきの風景は死体袋を運んでいる医療隊員や、DNA鑑定のプロたちが行き交う。チグハグだがそこが人間いろいろでして、プロたちの邪魔するよりはいいでしょう。タイ首相が言ったようにプーケットは2週間で、カオラックは若干月日をかけて観光再開できます。タイの経済は悪くない。国のホンのわずかばかりの地区ぐらいなんなく復興させるだろう。 アチェ州は壊滅的被害を被ったがインドネシアは大きな国である。危機的な最初の段階を各国の緊急支援でつなげれば、あとは政府が解決できる能力があるはずだ。ユドヨノ・インドネシアは6日ジャカルタで開催さする支援国会議で、なんですか、34億ドル支援を要請するそうで、そのうち20億ドルを政府に……そりゃまた虫のいいタカリ。 国を覆う惨事にあったスリランカは最も支援が必要な国です。とはいえGDPがとても低い国ですから、2年あればもとの経済規模に戻る。重点支援はこことアチェです。インドは余計なおせっかいすると叱られます。わからないのがミャンマーで、ここへは記者さんが一人も入っていないようですね。情報は軍政府の死亡者数だけで、実態はわからない。支援するならスーチーさん釈放を要求したい。(了) PS:惨事の悲哀と希望、メディアのおもしろそうなテーマが一段落する半月めあたりから 感染症さえ防げれば、ニュースは縮小する。次回はしばらくご無沙汰していたイラクに目をむけようと思います。 |