安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


-------- ----------------------------------
ツナミ地震(3)好漢ヤン・エーゲランド
------------------------------------------
〈 Mon, 03 Jan 2005 〉


●国連緊急援助調整官
インド洋ツナミのは一週間たって被害の概要がだいたい判明した。「最終的に犠牲者15万人を超える見通し」というのがいちばん数多く見積もった予測である。これを述べたのは 国連緊急援助調整官室長のヤン・エーゲゲランド。就任して以来まだ1年4ヶ月だが、アフリカ各地の紛争、特にジンバブエ、コンゴやダルフール、バムの地震、最近はベスラン人質の支援などに存在感を示してきた。
前任が日本の現国連大使である大島健三氏であったが、は〜てCNNにもBBCにもトンとお目にかからない影のうすいひとでした。日本が常任理事国入りを目指して陣頭に立つ任にある大島さん、迫力に欠ける。立ち回りより失点のない外交官であるところが選ばれた理由かもしれません。日本とドイツ、インドは時が満ちれば入れてもらえるクラブですから、あまり物欲しそうに影で運動しないほうがいい。するとけっこう適任とおもえてくる。

●エーゲランドのチョンボ
エーゲランドはツナミの翌日27日に「アメリカはケチンボ」と口を滑らせ、ブッシュとパウエルを逆なでした。チョンボではあるが、小泉さんが3500万ドル出すのに、ブッシュが1500万ドルで得々としたもんだからあの時点では言いたくもなるか。その前提はこうです。

リッチな国の緊急支援に対する反応についてどう思うかとの質問に:
『なぜリッチな大国がシブルのか、理解に苦しむ。拠出額がGNPの0.1〜0.2%というのはジェネラス(気前がよい)ではない。ケチとおもう。25年前国連は0.75%を開発途上国援助(無償供与)にまわす決議を採択した。それを実行しているのは欧州のわずか、ほとんどが北欧諸国である。アメリカは0.13%。』

エーゲランド氏の頭にはずっとこの数字があったのだろう、北欧では常々一般人の口にのぼる自慢の数字でなのです。だが、支援はなにも金額だけではなく人的資材的政策的いろいろなかたちがある。支本人も認めるチョンボでした。このケチ発言が効いたわけではないが、米は支援金を10倍にあげ、空母リンカーンからヘリによる物資輸送がはじまり、英仏もイージス級を派遣。トラックや給水車など、エーゲランドの欲しかった援助態勢がととのい、 2日の会見では復興への自信と感謝の言葉があった。

●ブッシュのチョンボ
ツナミ後2日目、ブッシュ初の演説がこのケチ金額と米国、オーストラリア、日本、インドを「中核グループ」とする人道支援の構想をブチあげた。ブレアの抗議で即時に引っ込め たが、問題はこういったオンチなアイデアが懲りずに出るワシントンの体質にある。ブッシュの地図には大西洋と太平洋があり、インド洋は太平洋の続きになっているらしい。欧州はツナミ支援の外にある。悪気はなくてもこれじゃ国連無視、よけ者にされた、フィリピンやマレーシヤ、欧州、ロシアはもちろん意図を疑う。災害にかこつけて被害国支援に主導権を取るような計画はいただけない。

余談:ヤン・エーゲランド Jan Egelannd, Norwegian
言葉ですぐスタヴァンゲルの人とわかる。高校生のころから国際アムネスティで活動、22才でノルウェー国際アムネスティの委員長に選ばれた行動派。オスロ大学はじめあちこちで政治科学の勉強をしながら人権活動をつづける。フルブライト奨学生でもある。外務省にはいってまもなく「オスロ合意」秘密会談に参加、ま、新米だから走り使いなんかをやっていた童顔の人でした。そのときの同僚にラーセン中東担当国連次長がいる。相手側にいたアブ・マーゼン、クレイ、エレカトなどは現パレスチナ政府のトップにおさまった。95年くらいに外務省を出て当地の平和研や赤十字トップや国連、国際機関で働いたあと、現職へ。行動力とキレのよさは一目でわかるこの国の逸材。45才を超えたところか、二人の子供がいる。(了)
   



Pnorama Box制作委員会

ひとこと言いたいなんでも・掲示板へ
筆者へのmailはこちらまで
HOMEへ戻る