安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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対北制裁は早い方がよい。
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〈 Sat, 25 Dec 2004 〉


日本政府は拉致被害者の再調査を北朝鮮に求め、小泉首相が「あらゆる選択肢をのこしておきたい」と強く抗議した。24日BBC放送で耳にした。拉致関係を英米の放送で聞くのはジェンキンス氏釈放以来かな。経済制裁について、回答を見極めてからという煮え切らない態度です。

クリスマスの夕べは毎年のように食べ過ぎ飲み過ぎでダウン、ソファーで寝てしまい起きたらだ〜れもいない。で、TVをつけたらこのニュース。いま日本のネット紙にざっと目を通して、あらためて「制裁発動すべき」とおもう。

●慎重派は恐がりの思い上がり
北朝鮮への制裁は慎重に・・・そういうコメントが評論家、とくに軍事評論家に多く見受けられる。アメリカはこの時期にかきまわすのは歓迎しないだろう。▼中国や韓国との関係が悪くなる。▼6カ国協議の足並みを乱す。▼感情的な大衆の怒りに迎合してはならない。とまあ、かいつまんで言えばそんなところか。

もうひとつある。経済制裁を宣戦布告とみなす、についてどうも腰がひけているように見受けられる。何をしでかすかわからん国であり、もしものことがあればマズイ。それいけ!なんて言いにくいのでしょう。

ですが、制裁の結果はいいことづくめと思うのです。まず中国や韓国との関係がよかったためしは戦後一貫してないのであって、パッチワークでつないでいるにすぎない。共に一致協力して政治行動を世界に示すような関係ではない。いろいろ勝手な言い草に、日本が先進おとなの国として抑制しているから維持できる関係なのです。日本は制裁発動でまたうるさく非難されるでしょうが、無視、門前払いをくわせておけ。関係が一時冷え込んでもすぐ元の寒さくらいにもどります。アメリカは不満でも日本の政策に文句言えた義理じゃなし。

6カ国協議はいまのところ北が唯一たよりに出来る安全保障、みすみす脱退できる状況ではない。日本が制裁したから見送るとか、日本の参加を拒否するとか理屈をつけて引き延ばしをはかっても、絶対に脱退しない。協議解散はありえないのです。6カ国それぞれの思惑違いがはっきりしたいま、なおもし協議解散となれば、それこそ儲け物。さらに日朝平城宣言が白紙に戻ればオンの字です。

制裁賛成は国民の70%以上、国会議員も80%が賛成しているこの厳然たる事実を曲げるのは民主主義に悖(もと)りませんか。強権ですよ。国民を付和雷同の大衆と看做すのは政府識者の思い上がり、と当のエライ人は気がつかない。経済制裁といってもすでにコラムに書いたように不正取り締まりみたいなもんです。海外の誤解、いつもそうなんですが、誤解で日本が悪者にされそうになれば、人道支援をチョイ出し喧伝すればおさまります。

米が北の核問題を国連の議題にあげようとしたとき、北はこれを宣戦布告とみなしました。このときは中国の猛反発によって米は取り下げましたが、下院が北朝鮮人権法を可決するとき北はやはり戦線布告とみなす発言をしています。で、なにもおこらない。実際、今年春の黄海漁船越境では、韓国警備艇の警告にスタコラ逃げ去り撃ち合いはなかった。もう1年以上も北が韓国、日本と小競り合いをしていないのです。ノドン、テポドンの実験もない。まして一度も核実験をしたことがない北朝鮮の脅威をおそれる理由はみあたらない。

対北制裁は段階的に早い方がよい。不明者の真相が、犯罪ですから酷な真相でもよい、書類を抹消したならそうと明らかになった時点で解除すればよいのであって、いつまでもノラリクラり回答を長引かせてから発動してはかえって紛糾するだろう。(了)
   



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