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反ブッシュ路線を走るプーチンこのごろ
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〈 Wed, 08 Dec 2004 〉
●ウクライナに外国は手を出すな
米大統領選にブッシュ支持を明言した世界の指導者はプーチンさんぐらい。ブレア、小泉さんとも礼儀ただしく明言は避けた。プーチンとしてはブッシュに恩を着せたつもりだったが、ウクライナ大統領選でブッシュが「不正選挙の結果は受け入れられない」ときた。当然の国際反応ではあるが、プーチンにとっては後ろ足で砂をかけられた気持ちでしょう。[内政干渉だ、ウクライナを西側へ引き込む陰謀だ]とややオーバーな反応である。 今日もEU安保会議でロシア外相ラブロフが欧州安保協力機構(OSCE)の選挙監視団がウクライナ選挙騒動を煽動、ダブルスタンダードと非難。これに対しパウエルが諭すように反論しています。西側は実際内政干渉などしていない、選挙プロセスの公正を求めているにすぎない。 プーチンはインド訪問へ出発の日、モスクワ空港へクチマ大統領を呼んでなにやら相談している。これこそ内政干渉じゃないの?いまクチマの反撃で再選挙が暗礁に乗り上げているのはプーチンの糸がある。 ●インドに友好攻勢 さてインドではたいへんな友好攻勢にでました。ロシアのトップがインドへ行ったことそのものが前代未聞にちかい。中国と良好な関係をつくり、次に大人口の国インドを取り込む意欲満々である。まずインドの国連安保理メンバーを最大限に支持、拒否権を持つべきだと、日本へはおいそれと言わないことです。ロシアは兵器の輸出にヤッキになっていて、インド訪問も兵器ビジネスが主眼である。東南アジアではベトナム、カンボジア、マレーシア、ミャンマーなどロシア兵器を国防に使う国が多い。米支援のパキスタンと競うインドは当然ロシアから欲しい兵器を手にしたい。プーチンはインドの技術力を得て兵器改善したい。互いに補完する関係で大きな商談がまとまった。 またインドの情報ハイテク企業に税優遇策を設けてロシアに誘致するなど、このところ頭打ちのロシア経済の打開策を模索中である。できあがった製品を第3国に輸出するそうですがはてうまくゆきますか。 ●イラクビジネスの夢ふたたび 7日はイラクのアラウイ首相をモスクワに迎えて、フセイン時代のロシアに対する借金のうち、90億ドルを棒引きを決定。経済協力を緊密にしましょうと提案。そうはいってもなんの経済協力かできるのかわたしには見当つきません。開戦前にロシア石油企業が駆け込みで契約した事業のことだろうか。復興事業は同盟国優先にかわりないとおもうが、選挙後に石油開発で閣僚協議開催で同意しているのはアルイの暫定政権を支持している訳でしょう。 それでいて、1月30日の総選挙実施を固守するアラウイを前に「外国軍の占領下で選挙が可能だろうか正直言って想像できない」なんて横やりを繰り出す。プーチンは前日にブッシュがイラクのラワル大統領と予定選挙の堅持を述べたことがよほどハラに据えかねていたのだ。 同じく7日、アフガニスタンではカルザイの大統領就任式があり、チェイニー夫妻、ラムズフェルドが出席していた。ロシアの代表はいたのかすら定かでない。米ロのミゾが目立つこのごろである。一方、歯舞・色丹の2島返還で平和条約締結は暴論、この二つは残りの2島の10%余りにすぎないのです。(了) |