安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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葬儀と礼儀、アラビア風について

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〈 Sat, 13 Nov 2004〉


金曜の夜はおもいつくまま雑談、適当な長さになったら終わることにして……
●アラビア風ショパン
カイロでのアラファト告別式で(ライブでなんか見ていません)棺の移動にエジプト軍楽隊がマーチを演奏している。おや、ショパンじゃないか、笑ってしまった。【ショパンの葬送行進曲】をアラビア風に演奏するとどすっかり変わりますな。騒々しくてアラビア風だ。軍楽隊はどこでもウインナ・マーチ風ブラス編成でありながら、お国の音楽が基調になるようです。もちろんそれでよろしいんですが、ガイジンには違和感がある。我が国の軍艦マーチもアジアの外では茶化した風に聞こえるそうです。当地のマーチも民族的な節回しがみられる。

娘が帰ってそのボーイフレンド、ピアノ弾きのCと遅い夕食のあと、CNNにまた同じ映像とマーチがが出た。イギリス人のCに『ほれ、アアラビア風ショパンだよ』。すると怪訝なCが間をおいて吹き出した。

●アラビア風礼儀の限界
ラマラ到着のヘリに押し寄せた群衆、ガードの発砲制止もきかず、ヘリのドアが10分もあけられなかった。嬌声と怒号の葬送をアラファトへの熱狂を示すものというが、そりゃ他にも方法あるでしょうに。

イラクでもパレスチナでもそうだがテロリストや犠牲者の葬儀は棺に群がる人並みが道路を墓地にむかってひしめき進む。24時間以内、日没までに埋めるしきたりなのでゆっくり準備するヒマがなく、したがって式次第もプロセスもないわけだ。いきおいワッショワッショの山車のごとき有様になる。大物ほど群衆が雷同し収支がつかなくなる。ヤシン師のときもそうだった。

イスラムには棺桶やさんはあっても葬儀の一切合切を請け負う葬儀屋さんがないのだろうか。もちろん記帳やお線香や香典の習慣はない。モスク内での礼儀作法は子供でもできるが、群衆のエチケット、社会的な礼儀、教えられる形式ではなく個としての基本的なエチケットがイスラム文化に不足している。民主主義が根ざさない原因は奈辺にある。ちょっと高飛車になりすぎたか、失礼。

●ブッシュ、財政支援の用意
再選後、ブレア首相をトップに迎えて二人が記者会見に姿をみせた。両者は【アラファトさえいなくなったら】の心境でしたから、パレスチナの今後にオプティミステイックな発言は当然。としてもです、" I intend to use the next four years to spend the capital of the United States on such a state." ちと軽薄じゃなかろうか。『任期中にパレスチナにキャピタルをつぎ込むつもり』ってどういう意味?と横目でTVを見ていた家内がつぶやく。ノルウェー語のカピタルと同じなのに漠然としているらしい。それはですね、とわたし『知的外交的努力もお金の援助も含めた資本のこと』でしょうね。イラクで精一杯、赤字財政でフウフウとおもいきや、ブッシュの経済感覚は家計で苦労するわれら二人には所詮わからんのです。

ブレアさんが『あなたはブッシュのプードルと言われているが』と質問されて苦笑。小泉さんもプードル呼ばわりされる。低級なレッテル貼りは、何処も同じ秋の夕暮れ。(了)
   



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