安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ファルージャ・リターンマッチ

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〈 Tue, 09 Nov 2004〉


【ファルージャの戦い】幕は切って落とされた。ブッシュが再選ならなくても任期中にこの戦いは完了する。そのためには選挙日あたりにファルージャ攻撃があるやも……。予想が外れてなにもおこらなかったのですが、選挙日の翌日、3日から前哨戦の空爆が連夜休み無く行われており、スジはよかった。

悪かったのはイラク軍+米軍の準備がもたついたこと。それでファルージャ包囲を完了する前に、テロリストの核組織や外国人兵がおおかた逃げてしまった。市内で迎え撃つのはと部族長親分の私兵とジハード志願のミリタント3000人から5000人。片や米軍1万人+イラク軍5000人、荒野で対戦したら映画【最後のサムライ】の決戦と同様、皆殺しです。

ファルージャ50万の市民に疎開勧告が出てから1ヶ月以上、女性子供のほとんどが親戚や近隣の村に避難したが、それでも5万人近く市内に残っている。大半は若い男性でミリタントを手伝ったり市民に戻ったりするグレイゾーン。また動くのが面倒な老人が案外多いらしい。その気持ちわからないでもないが。

4月のファルージャ攻撃が中途ハンパに終わったが、あのときは30万以上の市民生活が営まれている町中である。市民の*犠牲者600人を出し、国際非難ごうごうのなかで米軍は退却せざるを得なかった。で、あと始末をファルージャ旅団というイラク人の自警部隊を設置、そのボスに元バース党の大物を据えておまかせしたのですが、これがご存知のように大失敗に終わった。真面目な警官は殺され、半分は逃亡したり反乱軍に変身したり残った者は武装派の見張りになりさがった。

以後ファルージャがテロの温床、テロの発信源になったのでした。米軍としては口にこそ出さないがリターンマッチでKOしないとおさまらない感情があるだろう。だから上官たちの士気は異様に高い。反乱者たちは地雷、ワナ、爆発物を張り巡らし、狙撃兵を要所に配置しているので米軍の犠牲者にほくそ笑むようなコメントするのが多くてやりきれない。そりゃあなた、ラムズフェルドもマイヤーも現地のケイシー司令官もバカじゃないよ。自衛隊でもわかってまさあ。

作戦通り周囲から拠点をおさえて市内中央部で決戦にそなえる武装派に降伏を呼びかける。10日目ぐらいが山場で、制圧宣言はおそくとも3週間以内。でないと、総選挙の立候補準備に支障をきたす。(了)

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*犠牲者600人:イラク一般市民の犠牲者数を毎日数えている充実した殊勝なサイトがある。そのものズバリ、http://www.iraqbodycount.net/
(了)
   



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