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アラファト議長の埋葬地はどこ?
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〈 Sun, 07 Nov 2004 〉
相当オタクなみなさまへ資料提供いたします。
●シャリフ寺院のそば近く エルサレム旧市街にある金色の大きなイスラムドームの建物、ハラム・アル・シャリフの寺院。一般的には【アル・アクサ・モクス】で通っているイスラム聖地であるが、イスラエルおよびキリスト教国では【テンプル・マウント(聖なる丘)】と呼ぶ。聖書時代、この丘にユダヤ寺院があり、その廃墟の上に現在のモスクが建てられた。イスラエルとパレスチナ両方の聖地であるがゆえに紛争の原点となる。1967年の第3次中東戦争でイスラエルが占領。 パレスチナ側:オレの聖地なんだから当然要求する。パレスチナの宗教トップにいるサブリ師が4ヶ月前議長から直接希望を聞いたとしているが書類がなくても、あのモスク脇がアラファトの、パレスチナの悲願にかわりない。殆どのパレスチナ人はムリだと解っていてもおいそれと引き下がらない。本人が主張するエルサレム生まれは今でも幼稚園/学校で教えるが子供だましのウソ。PAもこのことを理由に交渉していない。 イスラエル側:警備とか権利割譲とか技術的な問題ではない。法務大臣の短いコメントにつきる。 問い 埋葬地はどこか ラピド法相:"They will choose where to bury him, but he will not be buried in Jerusalem" 問い:なぜですか ラピド法相 :"Jerusalem is the city where Jewish kings are buried and not Arab terrorists." (エルサレムはユダヤの王たちが眠るところ、アラブのテロリストはだめ) ブッキラボウで過激な発言は肯否両サイドのメディアに大受けでした。 私感:エルサレム帰属問題はオスロ合意でも、ロードマップでもプロセス完了後の協議事項になっており、客観的に見て不可能とおもう。 ●東エルサレムのアブ・ディス ここは旧市壁の近く、パレスチナ自治区内にある。群衆の集まるイスラム式葬送は途中道筋をアルアクサに押し進めやしないか、イスラエルが懸念している。衝突の怖れがある一方、パレスチナ側が聖地の目前で屈辱感を味わう。マイナス面が多い。 ●ラマラ大統領府の近く ここにも大きなアル・アクサ殉教モスクがあるが、歴史がなく建物が安っぽい。新しい廟堂を計画する悠長な状況でもない。ボツだろう。 ●ガザ地区、有望 アラファト自身はエジプトのカイロとエルサレムで育ったが、一族アル・キドゥワはガザの出身。アラファトという名前はファタ(武闘)に因んで改名した。キドゥワ家の小さな墓柱が25〜30ある場所、南部のカーン・ユーニスは喧しい市場の近くなのでちょっとぐあい悪い。ほかにガザ市の【元PLO本部】のそば、ガザ市東部の【殉教者霊園】が考えられる。 治安の悪いガザ地区であるが、葬儀の間はイスラエルが極力協力する意向。問題はガザのミリタントが静かにしていてくれるかである。イスラエルへの攻撃ばかりでなく、治安警察とミリタントの抗争がある。葬儀のホストたる自治政府クレイ首相が土曜日ガザへ出張してハマスやジハードほか13の武装派と協議した結果は上々でした。【反乱はない】と先に書いたとおりです。 ついでに腹いせしておこう:アラファト健在中はアッバスもクレイも一度も成功しなかったミリタントとの話し合いが、アッサリ協調でまとまった。やれ混乱だカオスだと脅かしていた記者さんたち、勉強がたらんぞ!根も葉もない空論に倣うべからず。 イスラエルとしてはガザ地区なら警備が簡単で高見の見物しておればよい。外交関係のある国からやってくる賓客を無事ガザ地区に警護して送り出せばそれでおしまい。またイスラエルと外交関係のないアラブ諸国はヨルダンとエジプトから入国できる利点がある。来年9月までに返還が実現するガザは万事好都合ではないだろうか。(了) |