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4more years
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〈 Thu, 04 Nov 2004 〉
●ブッシュ再選、共和党議席を伸ばす。
昨夜は徹夜で選挙ライブをカチカチチャンネルを4つ切り替えてフォロウしていたので眠い。早々仕事を切り替えて長い昼寝をたっぷりいたしました。楽しく新年をむかえる心境です。コラムを初めて以来このサイトに立ち寄られている方なら先刻ご承知のように、わたしはブッシュ大好き、ブレアもっと好き、シャロンは中ぐらい好き、文句アッカ。 尤も時局予想は客観的に冷静にバイアスを排して、早くからブッシュ落選を覚悟していた。途中ケリーを訝りはじめて、ブッシュ勝利に予想を変えたのが18日のコラム【ブシュ再選の予想】でした。だってそうでしょう『新しいアメリカ、フレッシュなスタート』とあんな政治プロの年寄りに言われてもねえ。『少数のリッチではなくミドルクラスの向上』と超リッチのエリ−トに言われてもねえ。 ま、しかしケリーさんは本当によくやった。馬力があるしこの1年の全国遊説で接した人々、大観衆はケリーが全生涯で接した人々より遥かに多いだろう。米大統領選の優れたところは、候補者が大スケールの国民と接することで学び、エネルギーを得てひと回りもふた回りも偉大になることことにある。おのずと国民に誠実であろうと決意するのです。しかし政治の世界だから実行できるかはケースバイケースなんでありまして、選挙戦を見ていると勝たんがための中傷合戦だが、汚れなき心もあるケリーさんとお見受けしました。 ●敗者の弁 敗北を認めたケリーがボストンで民主党員や支持者に挨拶にたった。国が二つに割れる事態をなんとしても避けねばならない。共通の立場を見つけて一致団結しょう。"We talked about the danger of division in our country and the need, the desperate need, for unity, for finding the common ground, coming together," と、これは敗者の常套句でソティスフィケートな人ですから当然としても謙虚な本心もあるだろう。集まった支持者にメシメソできないわけで、あとの演説は支持者と共に前進あるのみ、48%得票したんだから当然といえあいかわらず挑戦的だ。意気がってはいるが、支持者もケリーに未来がないのはわかっている。全体的にしっぽりした悲しいキャンペーン別れの集会でした。ただケリーさん涙ぐむかなと注視していたがテレビのライブでは目頭を拭く場面なかった。自己管理の徹底した人ですね。 最初に喋ったジョン・エドワードはまだ先がある身を意識しすぎて、次期に賭ける内容に場違いな違和感がある。人気は急速に衰えるよ、将来を棒に振ったかエドワード。 ●勝者の弁 一 方、ブッシュもケリー支持者にむかって"To make this nation stronger and better, I will need your support and I will work to earn it. I will do all I can do to deserve your trust."さらに"I'm proud to lead such an amazing country and I'm proud to lead it forward," ね、謙虚でしょ。勝ったほうは謙虚な発言がとてもしやすい部分もあるが、ブッシュだってバーバラ・ママに品よく育てられた。米国以外で誤解されているのが腑に落ちない。 ●景気より価値観 ブッシュ勝因は保守的な価値観が米国の本流であることを示した。堕胎は罪、ホモ同士の婚姻を認めない、幹細胞を操作するべきでない、等々。失業が最も深刻なオハイオ州でも都市部をのぞいてブッシュが優勢である。またケリー陣営が期待した事前投票/暫定投票がさほど有利にのびなかったこと、若者の票がすべてケリーに流れたわけでもない。価値観、ヨーロッパがすっかり失った古めかしくも尊い価値観が息づくアメリカ。 その価値観の一撃をくらって欧州はショック著しく、怒ったり不定愁訴に陥った。ポルトガルとフィンランドはえらい剣幕だ。レーガンとは2期目になってよくなった前例があるので(これは欧州側が歩み寄った)今度もよくなるだろう。なに心配無用です。(了) |