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重体のアラファト
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〈 Thu, 28 Oct 2004 〉
●インフルエンザが腹にきた75歳の身体
ラマラ幽閉のアラファト議長が昏睡状態になったか、なりそうだったのか定かではないが、数日前から腹痛と嘔吐に悩まされていた。イスラエルは入院治療に海外へでてもよいと3年ちかくにおよぶラマラ議長府の軟禁に逃げ道をあたえたが、お帰りの保証がハッキリしない。シャロンとしては元気になって帰ってもらうと困るしね。しかしそれでは議長がオーケーするはずもなく、病状は回復しなかった。 ●国際社会に見放された独裁者の成れの果て 腹部に巣くうインフルエンザにやられたのは、パレスチナ自治政府閣僚がいうような過労じではない。原因は影響力を失ったアラファトの気力が衰えたため。アラファトをパレスチナ混沌の張本人と40年そう考えていたわたしです。重体を聞いての感慨は、心身ともに打ちひしがれた独裁者の成れの果て、引き際をわきまえず、政敵を蹴っ飛ばして後任を作らなかった。こういう男をごく最近までゲオポリティックの牽制からチヤホヤした世界のリーダーはどうかしている。いまでもアラファトを贔屓にするEUのソラナはなどはアラファトと一緒に消えるべき運命にある。 27日は閣僚たちがアラファト議長のベッドサイドに緊急招集された。ポスト・アラファトをニラみながら、この連中もハラの探り合いにもっぱらの関心があるだろう。フランスにいる夫人スハさんはまだダンナの病床に来てないようだが、この夫婦はどうなってるのか。パレスチナからスハさんの銀行口座に振り込まれる大金の問題も気にかかる。 ●ポスト・アラファトはクレイが貰った 病状については、 一週間前エジプト、チュニジア、ヨルダンから医師のチームが派遣され 検視鏡で調べたそうだが、とりあえず手術より薬の治療で様子をみていた所悪化したようだ。ヨルダンの医師団が近々医療チームに加わるそうだが、アンマンにアラファトを移送するかもしれない。 首相のクレイがずっと病床に付き添っているので、おそらくアラファトが執務不能になったばあい、クレイが首相兼議長代行につく可能性が最もたかい。混乱は避けられないとしても、アラファトでにっちもさっちもいかない現況より、わたしならアラファトのいない混乱のほうを選びます。すくなくとも未来への展望がひらける。(了) |