安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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おもいつくまま、26日

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〈 Tue, 26 Oct 2004 〉


● ケリー/クリントン組vsブッシュ/シュワッ組タッグマッチ
7日間一本勝負。いよいよくるものがちかづきましたね。クリントン氏の心臓手術はみかけより複雑だったようですが、ケリーの応援に登場した氏はいつもとかわらぬクリントンさんでした。ペンシルベニアの会場はぎっしりと一万人くらいにみえた。。相当数はクリントンが来るから集まったんでしょう。民主党支持者をまとめてケリー支持へ連れ込もうとおもったら、助っ人はクリントン意外にない。

コロラドではブッシュが対テロの朋友である前NY市長ジリアーニの応援で演説。こちらも熱気がある。上品とはいえないが、ケリーを揶揄するブッシュに余裕らしきものがあったのは、世論の振り子がブッシュ側に揺れだしたためだろうか。聴衆を笑わせてくれる。ケリーに欠けているのはそこです。楽しい一面もあるんですが、演説はじめるとつい拝聴ムードになってしまう。ケリーサンに変わってもイラクの反乱は相変わらずなんですがね。

イラク旧国軍施設から行方不明になった爆薬350トンの報道をケリーさんはさっそくブッシュ非難の材料に。モThis Presidentノモのお粗末ぶりをめった切りに責めています。しかしあれは米軍がバグダッドに入った矢先の混乱期に略奪されたもので、テロ組織に渡ったのか、売り捌いているのか分かりはしない。それより旧政権の武器弾薬は首都陥落前に大量に隠蔽され持ち出されている。こういうのって、重大な失策ではあるがいまさら責めるべき問題ではないとおもうんですがね。この爆薬量は核弾頭の起爆剤に使える、というので懸念する親切な人がいる。イラクにWMDはない!核はなかったので吠えていた連中がどうして起爆剤のことで心配せにゃならんのですか?

ブッシュ最後の一週間の助っ人はビッグガン、シュワちゃん。今伸び盛りのシュワルツネッガー加州知事が予備選開始時以来、久々の登場。現役ではないクリントンにくらべ勢いがある。今回のような頭ひとつの接戦では生きのいい雰囲気作りが勝敗を決する。とすればシュワちゃん人気が浮動層を少なからず捉えるのではないでしょうか。

●処刑と強盗殺人
昨日のコラム、イラク新兵さんの処刑映像で気になっていた事がある。全員裸足で転がされていたのが奇妙です。帰省だから荷物もあったろうが亡くなっている。で、きょうの報道では帰省にあたって支給された給料が抜き取られているという。ミリタントはアリババ盗賊団でもあったのだ。

●春暁ガス油田
平行線です。はい、末永く平行線のままでしょう。日本側が資料を出せといってもそれは国際慣習で一方だけが巨額の費用がかかった極秘資料を開示することはない。当然です。境界線にまたがる油田を採掘する場合。互いの資料を持ち寄って、お宅の方は埋蔵量これくらい、うちはこれくらいありそうだ。などと双方相談して、合意の上採掘をはじめる。逐次両側でいくら吸い上げたかオープンにしながらことを運ぶ。北海には境界線上でイギリスとノルウェーにまたがる油田がたくさんある。フリッグ油田では境界線をはさんで双方から吸い上げそれぞれの陸地に海底パイプラインが引かれている。互いにトラブったことはない。

トラブって戦争になったのが湾岸戦争です。クウェートとイラクの国境は油田地帯で、そこをクウェートがどんどん採掘し、イラク側の良質の地下原油はとても流動的なので双方にまたがる油がクウェートに吸い上げられている。そういう状態が長年つづき、フセインは盗んだ石油をかえせ、賠償金を出せとしつこく要求していたがナシのつぶて。したがってフセインのクウェート侵攻は堪忍袋の緒がキレておこった戦争です。あれはフセインも悪いが、おもうにクウェートの傲慢が招いた自業自得である。ブッシュもまたサッダム10年ののらりくらりにキレたがゆえに……。

おなじ危険性は春暁より南沙にある。ベトナム、中国、フィリピン、マレーシアの4カ国が複雑な領土権を争っている南沙諸島周辺の資源開発に、ベトナムが着手して久しい。いまのところ中国は厳重抗議にとどめているが、もし大当たりしたら……。ン、中国は武力阻止に出ますな。(了)
   



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