安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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イスラエルに理がある。
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〈 Wed, 06 Oct 2004 〉


●非対称的対テロ戦の非対称的犠牲者数
ガザ攻撃について続けます。ハマス・ジハードの自家製【カッサム】ロケットによって死亡したイスラエル人は女児を含めて4人。45°の角度からひょろひょろ飛ぶカッサムは数こそ撃つがどこへ落ちるかわからないので被害は僅少だ。対するイスラエル軍は、空軍陸軍2000人を投入する総攻撃である。29日以来パレスチナ人70人を殺害した。テロに対する攻撃はイラクでも1:20くらいだろう。非対称テロ戦における非対称的犠牲者数の厳然たる事実。

4人と70人ではマッチにならん。確かに。しかしイスラエルを一方的に非道と決めつけるのは賛成しかねる。シャロンはしばらくジハードの自爆テロに報復を中サイズにとどめていたが、ガザ地区の側から降ってくるロケット弾にカンニン袋の緒がきれた面もある。しかしいちばんシャロン気がかりなのは、来年のガザ地区イスラエル入植者の撤退をひかえ、粛々と引揚げる際にロケット攻撃を受けてはたまらん。不穏分子を退治しておきたい。ガザ地区をパレスチナの完全自治に返すため、プリエンプティブ攻撃といってよい。

ヨルダン西岸に隔離壁を囲むのも、ガザとの領境にバッファーゾーンを広げるのも、ひとえにハマスなど過激派のテロを防ぐためであり、攻撃用建造物ではない。防御壁か分離壁か、どっちにしろ自慢できるものではないが、『テロが無くなればイスラエルは攻撃しない』。反イスラエルの諸氏にはこの一事を忘れないでいただきたい。

火曜日、ガザ地区ハマスのリーダーであるバシル・アドダバッシが車に乗り込んだところをイスラエルが撃破。ハマストップの暗殺は、ヤシン師につづいて4月に後継者ランティシを、そしてガザのダバッシ(38才)をあっさり殺害してしまた。一発必殺の腕がある。

●国連パレスチナ支援の怪
国連安保理ではイスラエル代表とと国連のパレスチナ難民救済事務局長のハンセン氏がやりあった。この2ー3日頻繁に放映された例のUNマークがついた救急車の映像について、夜間の白黒ヴィデオといえ、慌ただしく積み込んでいた長い棒のようなものはどう見ても武器に見えるのだが……。男たちはぜんぜん医療担当者らしいくない。国連側はしかし、調査の結果、当日ガザにその時間いた国連救急車が積み込んだのはストレッチャー(担架)である、と反論した。

残念ながら棒状モノがはっきり見えない。アナンが調査委員会をもうけたが水掛け論に終わるだろう。これまでにも似たような疑わしい事件があった。過去4年間にイスラエル軍、警察にテロ幇助の疑いで拘束された現地採用国連職人は13人もいるのである。パレスチナで働く国連職員は情が移るのかもしれない。パレスチナを担当する国連のトップ、デンマーク人のハンセン、中東担当事務次長であるノルウェー人のラーセン、こんな見かけ倒しの人物がパレスチナにかかわっているとロクなことはない。

ついでにもうひとつ国連の忌まわしさをあげておこう。フセインのイラクに制裁措置として国連が管理した【石油を食料に】事業があった。この事業の実務に任命され、石油密輸と汚職に関与した国連職員の処罰はまだウヤムヤだ。不正取引のアガリはフセイン一族の豪奢をささえ、国連決議をバカにする傲慢を教えた。その環境をつくったのはピンハネで資産をつくった高級国連職員である。(了)
   



Pnorama Box制作委員会

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