安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ガザ地区へ進攻する戦車200台

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〈 Mon, 04 Oct 2004 〉


●オールアウト・ウォー
米軍がスンニ三角地帯にオールアウトoウォーを展開するのと同時に、29日からイスラエルはガザ地区の北部難民キャンプへ総攻撃をしかけた。戦車200台ちかくが土煙をあげてハマスミリタントの拠点であるジャバリヤ難民キャンプを制圧。少なくとも34人のハマス武装勢力を殺害したとされる。

プラス民間の犠牲者約20人。国連のアナンが『女性、子供を含む市民の犠牲者を出すような攻撃は中止するように』、またパレスチナ政府にたいし『ガザからイスラエル領にロケット弾を打つのを』やめさせるよう声明を出した。ま、公平でよろしい。

ハマス・ホームメードの【カッサム】ロケットで、国境警備のイスラエル兵とジョッギングをしていた女性が死亡している。報復するぞ!とシャロンが言ってもハマスが聞くなんてことはかつてないのである。アラファトは2日目に非常事態を宣言、国際社会はこの暴挙に立ち上がれと、あいもかわりませず十年一日のごとく繰り返す。パウエルに引退するよう諭されている無力のアラファトに、そうだと言ってくれたのはイランだけ。アラブ諸国連盟は国連安保に上程しようとジェチャーするのが関の山、アラブの国は他のアラブの国にイニシャチブをとれない。これはもう定理みたいなもんで、あぁそれで過激派がテロのイニシャチブをとるのかな。

● 誰かハマスを止めたまえ
クレイ首相は遠回しにパレスチナ全体のことを考えて、ロケットを打つのはやめてくれと発言しているが、ハマスはいくら犠牲者が出ようとロケット攻撃、自爆テロを続行する。イスラエルを追い出すまでは……。と、そこがワタシ腑に落ちないのです。

ガザの入植地から撤退するシャロンのプランは与党の右派からの反対で来年に持ち越されようとしているが、撤退することにかわりない。スムースにことが運ぶよう、ハマスも協力すりゃいいのに戦闘しかあたまにない連中。どうも自分たちがイスラエル軍を追い出したかたちにしたいらしい。

シャロのハマス掃討パレスチナばかりにとどまらない。は数日前、シリアのハマス幹部をダマスクスで殺害し、世界のどこにいようと武装派を根こそぎにするつもりである。国境をこえ、主権を無視してでもテロリストを追討するのはなにもプーチンさんの発案特許ではない。イスラエルはイランの核基地空爆をやったし、20年ほど前に当地リレハンメルでモサド(イスラエル諜報暗殺組織)が暗殺した事件があった。これ、人違いでイスラエルが遺族に補償金を払ったが、ヒドイ話だ。

ガザ地区は世界一の密集地である。ロケット発射の地域には民家も幼稚園もある。そこをバリバリ戦車で押しつぶしてゆくとはヒドイ。武装派が隠れているといってもだ、調べもせずバリバリは100年の恨みを買うだろう。シャロンも悪いが、ロケット弾が止めば、ジャバリヤ侵攻はストップする。誰かハマスを止めたまえ。

シャロンは今後数週間、徹底的に叩く意志を明言している。そこを自治区とイスラエルのバッファーゾンに拡大する目的で戦車が地ならしするのだそうだ。(了)
   



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