安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ディベートにボロ負けしたブッシュ

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〈 Sun, 03 Oct 2004 〉


家事多忙(叔母の100歳誕生祝い)のため、遅れましたブッシュvsケリーの90分TV討論第1ラウンドの感想です。木曜日の夜中、ライブでディベートを観戦ブッシュ、ぼろ負けじゃないか。目はしょぼしょぼ、イライラ困惑しているブッシュは哀れをさそう。大統領が困惑しては困るのだ。観客席は真っ暗でTVに映らないが、おそらく共和党側の観客はいたたまらない気持ちだったにちがいない。コイズミや日本の拠出金をあげて同盟を強調するのを聞いていて、場違いの感を否めない。不快におもう視聴者が多いのではとおもう。

●ボロ負けのブッシユ
イラクと安全保障がテーマで、ケリーの非難に言い訳するような反論では勝てない。しかもケリーの【私ならこうする】という意見に、【そんなことできんよ】ぐらいの反論では説得力ゼロ。この調子じゃ、経済と国内問題が中心になる次回討論では一方的にケリーに押しまくられるでしょう。

声量があり話術が立て板に水のケリーと、平等の立場で討論するとブッシュはダメだな。マングースにつかまったハブみたいに相性が悪いのだ。防御に精一杯で、しかも持ち時間の2分を使い切れなかった場面があった。簡潔な答弁というより、尻切れトンボで主導権を放棄した印象を与える。

ブレア首相は議会で野党党首の攻撃に応酬する訓練ができているが、米大統領はそういう日常の場がなく訓練が足らない。演説はできても。下から突き上げたり、インタビューに上位から軽くいなせるが、平等の立場で攻撃されると意外に脆い面がある。正攻法のブッシュは特にその傾向がある。パパブッシュやフォードもそうだった。逆に、再選を果たしたテフロン加工のレーガンやワザ師クリントンは打たれ強い。

TV討論がおわり、引き続き会場でのコメント、識者のコメントにかわったところでいつの間にか寝てしまった。音が大きいと居間におりてきた家内に叱られて目が覚める。翌日世論調査の結果は平均3対2でケリーの勝ちになっていた。これは総合点、いわゆるテクニカルに討論自体を判定するのではなく、論旨や人物評など諸々を加味した結果なのだろう。討論だけを判定するならブッシュ惨敗のハズ。3日のCNNネックイック投票【どちらが討論に勝ったか】を見ると:ジョージ・ブッシュ=13%、ジョン・ケリー=84%。ケリーの圧倒的勝利ではないか、実情はこの通りだ。

●選挙はべつもの、ケリーの暴論
ケリーの討論勝ちはわたしの予想通り。ブッシュの負けが予想より激しかったが、この結果が11月の選挙に結びつくかと言えばそんなことはない。(コラム/牙をむいたジョン・ケリー)。 討論のじょうず/へたで大統領を選ぶのではない。ケリーのいう政策は実際首を傾げる非現実なものが多い。列をあげると……

▼イラクよりウサマを攻撃すべき:イラクではなくビンラデン/アルカイダと言ってもあれはすでに壊滅してますぞ。いま雨後のたけのこのごとくバラバラにアルカイダと名乗るグループはビンラデンと関係ない。そもそもウサマはとっくに死んでいる。ムシャラフは政治的にウサマが生存しているように装っているが、米軍が独断でパキンスタン領内にいるというウサマ掃討作戦をできますか? 
▼国際協調:ロシアと、中国と、スペイン、フランス、ドイツと国連と、いうほどたやすく国際協調できれば世話はない。
▼北朝鮮と2国間協議:ただちに金正日と対話、核の脅威を取り払う……そりゃ高く付くよ。

野党候補だからなんでも反対の立場を唱えるだけで、ケリーには具体的な方法論がない。ちょっと物足りないんですがね。(了)
   



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