安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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人質産業

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〈 Fri, 01 Oct 2004 〉


●拉致犯に100万ドル支払ったベルスコーニ
3週間、イタリアをハラハラさせた二人の女性支援ワーカーが解放された。犯人たちはドクター・アンスラックス(炭疽菌)と呼ばれる女囚ほかのイラク女囚の釈放を求めていたが途中で、身代金にかわった。バグダッドに駐在するイタリア赤十字とイラクの医師が、犯人側仲介者と談判できるようになって、人質がスパイでないこと、イスラムを否定しカトリックを宣べ伝える浸透者ではないことを苦労の末納得させた。じゃ、政治取引にならないんで、身代金で決着をつけるしかない。それはわかるが、この身代金もこのところエスカレートして100万ドルってのは犯罪常習者によだれのでるオイシイはなしである。身代金目当ての拉致ビジネスが増えます。

しかもイタリアは、負傷したテロリスト仲間15人をイタリアで治療する条件をつけられ、それを了承した。人命救助がしごとの赤十字と医者が交渉するとそういうこともありうるだろうが、負傷した同僚をかかえるテログループとしてはこれまたとびきりオイシイおまけである。仲間を助けたい心があるなら、なぜ民間人の首を平気で刎ねるのか!言っても通じんわな。

●右肩あがりの人質産業
ベルスコーニは『断じて拉致とは交渉しない』と正論を明言していたが、ウラでちゃんとあらゆる手をつくして二人の命を助けようとしたいた。だれも非難できない。しかし交渉に当たったのが政治的人間ではないので、結果としてボッタクりされちゃったのが将来にまずい前例を残す。一周間前に前金半額を支払ってとにかく殺さないでくれと、それから交渉に持ち込んだステップも問題だ。ギャングたちの人質産業を助長するのは確実だ。イラクに限らない、ヨーロパでは一番多いイタリアマフィアの人質ビジネスも、今後は身代金がつりあがります。

人質になった二人の独身女性(29才)同名のシモナさんは、イラクの子供を助けるというグッドウイルのボランティアさん。ナイーブでロマンチックな善意の人質女性はは日本にもいました。釈放されて記者団に『取り扱いは良かった、できればまた行きたい』と、言うことまでおんなじだ。

●人質犯の多様化
小泉さんがいくら仲介のボウズに謝礼金(身代金)を払ったか知りませんが、あれはまだ宗教指導者や土地のボスが仲介できたので安くあがった方だろう。しかし、最近イラクに結集している外国人反乱グループは部族長もボウズもお手上げで接触すらできないため事態を悪くしている。それで苦慮しているのがブレア首相です。やはり正論とは別にウラで急襲/解放探っているものの相手がまったく分からないうえ、シグナルを出しても反応がない。それでいて同時に拉致された米人二人が刎ねられたにもかかわらず、英人ケネス・リグビー氏がまだ生きている。身代金でカタがつくのではないか。

米政府はロシア同様、絶対にテロリストの要求を拒否し交渉しないが、それは国内の【救えデモ】全国規模に波及しないため。が英、伊では全国的な広がりがあり、トップが無視できないためである。(了)
   



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