安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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小泉ワンマン人事の功罪

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〈 Tue, 28 Sep 2004 〉


●尊敬します
例外はあったが、戦後の首相は最大与党の自民党総裁が自動的に就任する。党首なんだから党内の融和をモットーに派閥の大小に応じて根回しを疎かにせず、シャンシャン手を打って派閥均衡内閣を製造してきた。あいもかわらぬ派閥人事に浮き世の市民がどうして政治に関心をもてますか。

小泉第1次内閣でみせた小泉流政治手法モKoizumismモは、この悪しき政治風土を吹き飛ばす大型台風だった。ばい煙がパーっと晴れわたり、政界がわれわれのまえに開けた新鮮な感動があった。いまではその感動も薄れ、小泉さんはは希望の一等星から流れ星(falling star) になってしまったけれど、派閥に囚われない人事を敢行した一事だけ取り上げても傑出した政治家である。と、前もって断ったうえでケナシたりホメたりいたします。

●けなします
たとえば、前景気のあった民間からと女性の閣僚を多用できなかった。人材あまたいるのに小泉さんの気に入る人物がいなかったためだろう。恣意的ワンマン人事の欠点だ。回ってくるはずの閣僚ポストを待っている当選回数の多い【中ボス】たちが、軌道を外されるってのはいいですね。年功序列で大臣なんて公職にあってはならぬこと。それから1億5千万円を支援母体からもらってる法務大臣ってのは弁解の余地がないわ。こういう非常識がまかり通る世の中でもいいっていいうの? どうしてくりゃる首相殿!当地では労組が社会党に政治献金するのはいかがなものか、などとそこまで論議をよんでいるんだぞ。

●ホワイトハウスを真似る官邸
米大統領には専門分野それぞれに省庁に属さない補佐官がいて、首席/次席いったい何人いるかわからんほど。閣僚クラスの安全保障特別補佐官は実力者ぞろいだ。さて、小泉改造内閣の番外人事にあらたにヤマタクさんと川口前外相が入って留任の牧野、渡辺氏と4人になった。イラクのどこへ自衛隊を派遣するかで奔走した岡本補佐官の知名度が高かったが、総じて目立たない存在である。ところが今回はその道のツウを起用した。小泉さんはこの二人を多いに活用するつもりでしょう。官邸主導が一段と強くなり、防衛庁や外務省の反発がみものですね。ヤマタクさん、川口さんともデシャバリ屋でないため表立ったケンカにならない分、小泉ニクシに向かうのでは。

もし省庁の反発がポシャルようなことがあれば、それはそれで結構な成り行きだとおもう。日本の官僚は強すぎるからね。大臣をどうにでもできると思っている主のような官僚にお灸を据えるべしです。この傾向がゆくゆく大臣就任とともにトップ官僚総入れ替えに道をひらき、自然に天下りシステムが崩壊する。官邸主導は日本の議会民主制に即していえば邪道だが、波及効果として悪くない。

●海外の評価
コイズミの外交スタンスは、珍しく一貫しているので海外の評判は特になし。これまでの路線を踏襲するのはあきらか、しかも取り上げるべ新顔サープライズがなく、読者の興味をそそるような記事はあきらめるしかない。したがって論評もおざなりだ。強いて言えば銀行改革に成功した竹中平蔵氏が力をつけ、重用されているのに好感がもたれている。(了)
   



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