安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ハリケーンと台風と

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〈 Mon, 27 Sep 2004 〉


多事多端。日曜日やっと小康を得て昼寝のルーチンを過ごす。窓外は激しい雨風で木々が大きく揺れている。風速20メートルはあるだろう。でもこれぐらいでは葉っぱが散るくらいで被害もない。フロリダを東から襲う巨大なハリケーンの渦巻きを解説するTVニュースをぼんやり見ながら、当地の近くに熱帯性低気圧がなくてよかった。心地よくひとりよがりにうたた寝する。

●4っつの大型ハリケーン
今年のフロリダは4っつのハリケーンに見舞われた。順序は忘れたがチャーリー、フランシス、アイバンがきてジニーである。大型が4っつフロリダを襲ったのは、なんでもアメリカ気象庁の記録にないそうです。ジニーはバハマをひとなめしたあと太平洋を東にそれるハズだったのが、左に旋回してフロリダ東海岸から西へ北上。ジーンは意地が悪い。

今年のカリブ地方は散々な目にあった。イワン(アイバン)がハイチを通過直後、掲示板に死者300人、翌日700人と修正していたのが、今日の発表では1500人というではないか。たかが人口20万の町で1500人とはカリブなら当然暴動になる。ハイチならなおそうだ。それがなりそうでならなかったのは国連治安維持軍が、といっても主に米軍だが、駐留していたおかげである。したがって飲料水や食料、医薬品など救援物資、も早かった。

ハイチ大統領・アリステードが米軍に拉致されるようにして追放されてから治安維持に米仏混成軍がハイチに進駐、(コラム2月29日と3月1日)いつのまに国連軍と呼ばれるようになったか知らないが、ま、いいか。スーパーやガソリンスタンドを米兵が警護して略奪暴動にいたらなかったのはとても幸い。

アイヴァンに真っ先に襲われたイギリス領ケーマン諸島も無惨に家屋が一面ひしゃげて水につかっている。ここは世界の最貧国のひとつであるハイチと違って整然とつぶれているのが対照的である。失礼ながら妙に感心した。フロリダもそういう感じだ。ただフロリダは場所によって先のフランシスで壊れた家をやっと修復したところへ、ジニーにまた壊された気の毒な被害者がいる。立ち直れないよきっと。

●ジェーン台風回想
ハリケーン、サイクロン、台風と発生場所によって呼び名は異なるが、どれも熱帯性低気圧である。台風も今年は多かったといえ、日本の被害は中国や朝鮮半島ほど多くない。大型が頻繁に通るわりに昔ほど被害が多くないのはどうしてなのでしょう。河川の整備や植樹、護岸工事など風水害への対策が整ってきたのでしょうか。台風に疎遠になってしまった小生の疑問です。

ジェーン台風を覚えていますか。和歌山を中心に5000人がなくなった歴史に残る台風。奈良公園の松の木や春日の杉がボキンと折れたり根こそぎ倒れた。家がガタガタ、雨戸に飛んでくるものが当たる音がして、あのときは身の危険を覚えた。斜め向かいにすでに傾いた土壁のボロ家があって、それがいよいよ倒れそうに傾いたんです。すると進駐軍がジープでやってきてつっかい棒をしていった。その家のおじさんとおばさんが他にすることがないのかとおもうほどお辞儀を繰り返していました。みんな進駐軍がきらいだったけれど、この日だけが例外だった。その後,町内でこの一件を大人たちがあえて話題にしなかったので、戦後の反米の根深さがわかる。同様にイラク市民の感情も理解できる。その意識が建設的な思考を阻むことも……。

あのころは占領下ですから、非常事態に警察も消防署もたよりなくて、台風のさなかパトロールしているのはヘルメットをかぶった米兵でした。自衛隊はすでにあったが災害救助に出動できる制度すらなく、隠れるような存在だった。逞しく成長した自衛隊に、ハー感無量でございます。(了)
   



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