安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ブレアとアラウイの会談

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〈 Mon, 20 Sep 2004 〉


●イラクの未来、信条をかえないブレア
ブレア英首相は内政に多忙で、国際舞台にこのところ華々しさがなかった。イラク情勢が悪くなるばかりで、当今は月曜日に処刑声明を放映された英人人質の件もある。にもかかわらずイラクのアラウイ首相とジバリ外相をダウニングの官邸に迎えて、断固としたステーツマンぶりを見せてくれました、ブレアファンの小生はいたく感じ入りましたな。

私流にかいつまんで解釈すると、『わたしたちのかけがえのない世界が、いまグローバルテロ席巻されるかという瀬戸際にある。国際社会がイラク問題で分かれたり仲違いしている時ではない。一致協力してイラク政府を助けよう。それはアメリカの勝利のためでも、イギリスや西側の勝利のためでもない。イラク国民の勝利のために一致協力しようではないか。キリングと拉致のテロリストにイラクを明け渡してはならない。』

これはアメリカ大統領選のドロ試合と、ケリーの身勝手なイラク政策を言外に批判しているようでもある。

●ブレないアラウイ
ブレアを受けてアラウイは、来年1月のイラク総選挙を治安に不安があっても予定通り【絶対堅持】を表明、そのブレないスタンスが逞しい。選挙に向け国連の支援を要請した。当然の要求である。

これにはいきさつがある。米軍による占領政策が成果をあげえず、国連に多くの権限を 委譲する国連決議1546が成立した。そうして米軍にかわって国連主導によるイラク再興活動がはじまった。ところがアナンの腹心デメロ氏と国連職員21人がカーボンブテロに殺されて、たちまち全職員がアンマンへ退散してしまった。ビビル高級国連職員の肩を持ってアナンが決定したわけだが、米軍が治安責任を果たさなかったと文句をタラタラ、国連の撤退はスペインのサパテロより、フリピンのアロヨがやった撤退より醜悪だ。厳しく糾弾されるべきと小生は思うが、そういう意見はテンでみられない。ブラヒミ特使の成功でアナンは点数を稼いだので帳消しになったようだ。
 
●ふたたびアナンのバカ
国連が支援すべきイラク選挙準備に、現在13人が派遣されているにすぎない。しかもアナンは治安を理由にきょうももまた延期をほのめかしおって……。そういえば移行政府の就任式でもアナンは治安を理由に延期を迫ったが、アラウイが予定日を前倒しする挙にでて無事新政府が発足したいきさつがある。開戦【不法】にこだわり、イラク治安回復のため仲介するとか建設的な発言をコフィー・アナンがしたことあるか?

国連総会が21日からはじまる。日本が安保常任理事国入りを目指すのも良いが、この総会のテーマはイラクだ。ブッシュとアラウイの演説に注目。(了)

おまけ:イラクの希望的ニュースをふたつ。
●バグダッドへはアンマンからヨルダン航空が航路を維持しているが、イラク航空はこれまでなかった。14日、イラク航空のボーイング737が国際線を初飛行。経済制裁と戦争で中止を余儀なくされて以来14年ぶりに復活。737はヨルダンのアンマンからバグダッデへ、さらにシリアのダマスクスへ飛んだ。試験飛行ではあるが、羽ばたくイラク航空の出発である。イラク人の笑顔って初めて見た。いいもんです。ゆくゆくは毎日、ダマスクスやドバイへ定期便を出す計画という。空港の治安もよくはないが、イラク航空の副社長によると陸路を車でバグダッドへ入るより安全だそうだ。おお、そうだわ。たしかに拉致される危険はすくない。

●ヘリコプターに翼をつけたようなちっちゃな飛行機が一機、19日に試験飛行。これが新設イラク空軍のトラの子で、南部の石油パイプラインの監視などに使用される。イラク空軍は全軍がったった数十人、米軍が撤退をめざすなら、アパッチヘリぐらい与えてイラク空軍機として使養成が急がれる。(了)
   



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