安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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金/土/日曜日の日記

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〈 Mon, 30 Aug 2004〉


金曜日、
我が家に滞在する友人二人、それぞれの希望によって、まず【西ノルウェー工芸美術館】を見学。

●中国清朝の軍事顧問をしていたムンテ将軍が蒐集した中国もので有名な美術館です。彫刻絵画陶磁器武具など、雑多に集めた大量の古美術品が、一段と良く整理され、テーマごとに見応えのある展示になっていた。少し日本ものもあるが、系統立てて展示できるほどではないので、地下の保管室にしまってある。今年の春、その保管室で明治の頃出版された英文の豪華浮世絵本や、糸トジの美術関係和本を見せてもらった。全部手擦りの浮世絵が貼られた10巻以上の箱入り貴重本があり、図書室へ置くと切り取られるおそれがあるので、一般に公開されていない。また世界の骨董美術書が集められている図書室は決められた日のごく数時間、申し出によって閲覧できる。今回は拝見できませんでしたが、日本の書棚にはフェノロサが監修したものもあります。参考までに。
●オーレ・ブルのまとまった展示室があり、その中心に日本で【呪いのバイオリン】ということになっているブル所蔵のバイオリンがガラスケースに収まっていた。【絶対に弾いてはならない】との遺言により、ケースの両側は赤蝋で封印されていた。このバイオリンは天使の顔が渦巻きの部分に彫刻装飾されている。製作者、彫刻家ともよく知られた1800年代初期のもの。もうひとつ珍しいバイオリンがあった。共鳴胴がなくネックの角板ががそのまま顎あてとテイルピースにのびている骨組み型のバイオリン。こちらはよく弾き込まれている。
●グラス目当ての友人は、50ほどのグラスを陳列した特別あつらえのケースの前で唸っておりました。逸品ばかりではないが、展示の仕方/見せ方がウマイ。
● カフェテリアで簡単にコーヒとケーキで昼をすませてからHさんが行きたがっていた町の東側高台にある英国スタイルの公園、ニーゴードス公園へ。園内にはいるとすぐ麻薬常習者たちがたむろしている所を通るので予告しておいたのですが、やはり異様な者どもの横を通るときは緊張したようです。これさえなければ公園は大樹生い茂り、池や噴水、起伏に富む芝生など実に美しい市民の憩いなのですが惜しい。30年前は北欧一美しい公園といわれ、にぎわっていたのだが……。

土曜日:
●骨董屋めぐりに朝からでかける。Sさんはグラスのコレクター。ジックリ品定めするので、時間がかかる。目利きの醍醐味は掘り出し物を見つけることにある。よいもので高い品はあたりまえとか、それで高級骨董店より雑多な古物商を丹念に見て回る。そうやって4件ほど回り、掘り出し物なるグラスや錫プレートをいくつか見つけてご満悦。イソイソしてるわ。
●日本江戸期のレリーフ木彫に目を奪われる。部分的に象牙が使われていて、あつい木彫の額がついている。100x70cmぐらいあろうか、値を聞くとオッ、安い。少し傷があるがそれにしても安い。即座に買ったです。Sさんがいくらか訪ねるので円にしてXXと答えると、考え込んでしまった。高くないかという。クローネと勘違いして換算していたんですな。『円だよ円、XX円だよケタが違う』。こんどはSさんの声がうわずっておりました。してやったり、オレの勝ちだ。来週火曜日に家内と車で受け取りにいくので、そのうち写真をお目にかけましょう。
●その夜は家内に送り迎えしてもらって、日本人会のあつまりに友人も参加して寿司屋へ。あたらしくできたSOHOというおいしくてしかもよい雰囲気の店。盛会で帰国した人あり、新しい人ありで日諾人あわせて30人以上の盛会でした。

日曜日:
教会オルガニスト真理子さんが当日担当する聖マルコ教会へ家内と4人で行く。芦屋市国際交流協会の役員をしているSさんは会誌に海外で活躍する芦屋出身者を紹介したいので、昨日の日本人会でインタビューを約束しておいた。礼拝の後、インタビューやら写真をとったり、我々は牧師やみなさんと雑談の後車で待つ。Sさんは真理子さんを交え、牧師や執事も入ってにこやかに交流したそうだ。
●そのままエリカの群生地である、リグラセンターへ。町から車で2時間足らず北に行った島は公営の施設です。エリカは色のきれいな盛りを過ぎていて残念、広い海岸の丘陵に牛や羊が離し飼いされている。足腰の弱い二人の友はセンターのカフェで一服。ガラス張りの壁面から漫然と眺めて帰る。夕食のあと、日本酒【鬼のいぬま】をやりながらオリンピック閉会式を見ているうち、二人とも寝いすで寝込んでしまった。閉会式はよくできた演出、オリンピックはギリシャの誇りになりました。おめでとうアテネ。(了)
   



Pnorama Box制作委員会

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