安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ソグネフィヨルド 其のニ【秘境・フィンナボトン】

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〈 Wed, 18 Aug 2004〉



シンノヴェ号は朝10時にヴィークを出発。ヴィークの町はソグネフィヨルド沿いの町として大きいいほうだろう。人口約300人あまりだが、教会が5つもある。世界で唯一オールドチーズの生産地でもある。このモゴモゴしたチーズは菌が生きているので独特の臭みがあり、いわば納豆のチーズ版。ペニシリンみたいなもので健康によい。またヤギのミルクから作るゴートチーズはこのヴィークの製品がノルウェー中のスーパーに出回っている。われわれが乗るボートの名前シンノヴェ丸は、これから行くフィンデンの岬でゴートチーズを作り、オスロへ運んで大成功したでシンノヴェという女傑に因んで命名された。ボートを運転するのはそのシンノヴェチーズの3代、秘境探訪プログラムを作り観光事業を拡大中である。
長く内陸に入り組むフィヨルドは中程が一番深く、ヴィークのあたりが丁度中程である。長さの中間、幅の中程で船がモーターストップ。なに、船長ラースさんがフィヨルドガイドをするのです。このあたり水深が約1200m、底は大競技場のように平である。そのとおり、氷河の量と速度、その破壊力が最高になる場所なのです。両側の巌砕き、底を擦って氷河が動くのでフィヨルドはU字型の地形になるのです。そのあたりでとった写真。
両岸に道道路がないフィンナフィヨルドに入りました。前方に見える岬ががフィンデン。4家族が住んでいて、ラースさんがここでゴートチーズをつくり、民宿を経営、鹿肉料理を客に食わせてくれる。このフィンデンまでは夏の3ヶ月間、ベルゲンから週一度出る【ソグネフィヨルド2日探訪】の観光船が立ち寄る。秘境はこの奥にある。
フィンデンの岬はほとんど対岸と接するように突き出していて、フィヨルドを塞いでいる。矢印で示した幅、しかも浅瀬になっているのでこの先はシンノヴェ丸ぐらいの小船だけが通れる。でクルーザーはもちろん、観光船も入れない。ソロソロと先へ進み細い間口を抜けると 絶壁に囲まれた鏡のような水面のまん丸い入り江があった。↓
入り江の奥、ほんのわずかの傾斜地に家、納屋などがポツンポツンと、ここがフィンネボトンという車交通から遮断、隔離された秘境の人里である。夏だけ数人が住んでいるという。亜麻色の馬が一匹草を食んでいた。周囲は5−600mの絶壁、千メートル級の岩山がそびえ立つところ。個人の土地なので接岸できない。袋のような入り江に停泊するシンノヴェ丸からはケイタイが使えなかった。
入り江の後ろ側、このようにキュッと窄まりまーるい鏡池のよう。
帰り、フィンデンに立ち寄り、ラース奥さんの鹿肉の煮込みをメーンにした野趣豊かな料理を食べる。今日もビールが旨い。見渡す限りの風景はラースさんが地主、所有地にいる野鹿は1年12頭まで猟が許可されているそうです。望遠鏡で高い断崖に鹿が2頭いた。猟は9月10月。回りにプラムやリンゴのほか、サクランボがおいしそうなのでパチリ。
秘境の入り江フィンネボトンへの間口にあるここフィンデンでもひと泳ぎ、89歳の叔母を助ける15歳の姪。夕方ヴィークへ戻り、各人モーテルで一泊、朝食はホテルの方でコミになっている。ちゃんとオールドチーズ、シンノヴェ印のゴートチーズが並んでいました。(終わり)



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