安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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サウジ民主化へ、女性投票権?

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〈 Wed, 11 Aug 2004 〉



サウジの女性は黒い布で体をスポリ包んで目だけ出している。車の運転は男性の同乗が必要で、旅行にも男の介添え役と一緒でなければ許されない。とにかくサウジは中東の中でも 徹底した男性社会である。外国人女性がひとりでサウジに行くときは、受け入れ先の男性保証人がいないとビザが支給されない。うちの娘がひとりでサウジの友達を訪ねようとしたとき、その女性の父親が滞在先および保証人になる手紙を添えて、ビザを申請するよう言われ準備している間に予約便に間に合わなくなり取りやめたことがある。

言うまでもなくサウジ女性には選挙権がなかった。このほど成立した【地方議会選挙法】にもサウジ女性の選挙権に触れていない。あるともないとも、そもそも女性の記述がないのである。法文には、PEOPLEにあたる人々一般を述べるとき、一貫して男性形が人間一般を示す意味で使われている。

サウジのジャーナリスト協会の規約でもすべて男性形代名詞が使われているが、協会メンバーに女性ジャーナリストが入っていて、サウジの法律用語として男女市民一般を示すものと解釈してよいらしい。とはいえそのような公式定義はないのである。よりどころは公告された法規に記された【………の要件を満たす者ならば、誰でも市民は………投票する権利がある】という箇所。

要件を満たすという投票資格者は○21歳以上○サウジ国籍○軍役者をのぞく○12ヶ月以上正規に滞在する住民。さらに文盲者は代理人をたてることができ、モスクや公共施設で選挙運動をしてはならないなど、なかなか民主的ではないか。まさか女性を排除する意図があると思えないのだが。

この地方議会選挙が11月から2005年のはじめにかけて3度にわけて実施される。178議席の半数を選挙、残る半数の議員は政府が任命するので、完全な民主選挙への道は遠い。疑えば、癒し半分に選挙を提案しにすぎず、もちろんサウジの絶対王政に変化はい。それでもサウジ民主化への一里塚、女性権利への一里塚として意義がある。(了)



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