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野放し犯罪者、おかしなシーア社会
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〈 Sat, 07 Aug 2004 〉
●ファルージャからナジャフへ
ファルージャは、度重なるザルカウィ追撃空爆で静かになったとおもったら、その周辺のスンニが蜂起、ここを叩くと次は北のモスルで警察と戦闘、主権委譲の前から今までスンニのジハードに罹りきっていた。そのあいだ、シーアの聖地ナジャフは不思議なくらいおとなしく休戦状態。振り返ってみれば、サドル師の民兵【マヘデイ軍団】が2ヶ月間、民兵解散、武器放出に協力せず、力を温存充電してできあがっていた。そんな状態で停戦協定がまもられていたことが奇跡に近いのだ。 木曜日、ナジャフ警察署への発砲をきっかけに、イラク警察と米軍が出動しおもわぬ反撃に米軍が逃げちゃった。覆面民兵たち力を温存していたのにちょっと甘くみていたのか、米軍死者と負傷者を運ぶ戦闘ヘリが撃墜されました。『これはただじゃすまんぞ』。現地の司令官は反射的に大規模報復をしかけます。案の定、翌金曜日は激しい空爆だ。武器倉にしている墓地や建物が攻撃の的。米軍は反乱民兵死者300人という発表。 ジャーナリストは戦闘中のナジャフに入ることを禁じられているが、それでも潜り込んでいるモサがいるんですな。ラジオ中継で金曜夜の様子、米のヘリが上空を回り、あちこちで爆発音が聞かれるほか、まちはひっそり静まりかえっていると話していました。おそらく三日目、今日ですがシーア反乱も終息に向かうだろう。バグダッド郊外のサドル市、南のバスラなど各地で同時蜂起したシーア過激派も隠れてしまう。テロやゲリラは市民に紛れ込めば戦闘にならない。徹底した掃討が望まれるが、じれったい。 ●野放し犯罪者、おかしなおかしなシーア社会 サドル師をはじめシーアのボウズどもは勇ましい説教をしているが、サドルのスポークスマンはノッケから停戦を熱心に呼びかけていて、国連に仲介をしてくれとも。国連?バカー世間知らずだなこの人。そのあたりサドルとその支持者、過激派、他の黙っている聖職者との関係が、よくわからない。イラク政府は米軍とおなじくらい強腰で、徹底的にマヘディ民兵を潰し、サドル師逮捕を公言しているが、そこへ政府の派遣ではない自主的な政治家グループがノコノコ調停に赴くらしい。武装テロの温存をはかるくらいなら、生半可な調停はやめるべきだ。 ヤラウィ首相は金曜日にも【非常事態宣言】を初めて行使する準備をすすめていたが、戦闘が沈静化すればできないジレンマにある。また、確認とれていないが、反乱兵1200人が投降したとイラク警察が発表した。その大半はフセイン政権崩壊時に刑務所をカラにしたとき出所した犯罪者という発表。 アヤトラ・シスタニ師(70歳)はシーアに最も影響力があるとメディアも市民もいうが、いわれるような影響力を示したことがあるだろうか。移行政府の人員選びに際して、宗教者は政治に参加しない方がよいと諭した良識は買うとして、座ったまま、両目入りのダルマさん飾りにすぎない。戦闘中の聖地ナジャフをあとにしてロンドン空港に降り立ったシスタニ師は病院で心臓の検査を受ける。数日前発作があったそうで、本人が選んだロンドンへ。なぜ亡命地だったイランとかアヤトラ大事のフランスではないのでしょう? ウム、わからないこともない。(了) |
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