安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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イラク主権発足一ヶ月目の連続テロ

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〈 Thu, 29 Jul 2004 〉



いったんは下火になったテロ、反乱がふたたび激しくなってきた。イラク主権移譲の日からちょうどひと月たった、28日朝、バクバ、バグダッドのカーボンブをはじめ、各地で一斉に起こったテロは、死者120人以上をだし、全員イラク人である。まだもう少し増
イラクの治安部隊、警察が米同盟軍に協力しているという理由で、頻繁に警察署が自爆カーボンブの標的になる。署の前に応募者が列を作って並んでいるなら予防策を講じるべきだところ、まいど無防備だ。バクバではバスや、商店も吹き飛ばされ惨いシーンだな。
イラク警察、治安軍への攻撃は6月以降、主な事件が6回、168人の犠牲者という統計がある。最悪は主権移譲が近づいた6月24日、3カ所同時攻撃で100人の死者をだした。この時も今回と同じバクバとラマディで起こった。したがって今回の一斉攻撃は31日に開催がきまった国民大会への撹乱テロとして計画されたとおもわれる。しかし武装派がこの日の蜂起を連携呼応したとはおもえず、いまだに犯行声明が出ていないところをみると偶然のかさなりだろう。
現在、イラク警察に登録されている警官が9万人、国民警備隊(自警団)4万人、そしてイラク国軍はたった4千人しかいない。これがテロを抑えきれない問題点、アラウィ首相の頭痛の種である。フセインの国軍は正規兵だけで数十万人、秘密警察が目をひからせていた。
米軍が戦争終結後、すぐさま国軍と秘密警察を解散というか、みな武器を持って雲隠れしてしまい、次第に反乱組織に衣替えしている。イラク警察の実態は装備不足、訓練が終わっても警官にならなかったり、反乱側へ戻ったりした者もいるので人員も足らない。市井の強盗、レイプなどは野放しである。
反乱グループに立ち向かえる充分な装備を警察に与えないで、治安を批判するのは片手おちだ。イラク政府が頼んでいるのに、派兵各国も米に遠慮して聞こえないフリをしているが、イラクはまがりなりにも主権国家だ、2国間協定で武器を援助できないものか、特に撤退したフィリピンはお詫びに武器を差し出すのが礼儀ではなかろうか。
諮問評議会議員を選出するための国民大会議ですが、スンニ有力者や、シーアのサドル師、日本にも来たクバイシ師などが早くからボイコットするなど各界代表選出のグズツキが蜂起を助長する遠因になった。その意味でも31日に決行したのアラウィ首相判断に賛成。会議はアフガニスタンでやったロヤ・ジルカと同じイスラムの伝統。あのときは幕張テントだった。1000人がてんでバラバラに意見を述べ合って終止のつかない集会である。もし会場に迫撃砲が撃ち込まれた場合、アラウィ政権は窮地に堕ちる。(了)



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