安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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バングラデッシュ、国土の半分以上が水の下

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〈 Tue, 27 Jul 2004 〉



国土の3分の2が浸水する。ホラーフィクションのような大水が現実にあり得るんですね。バングラデッシュは国土の半分以上が茶色に濁った水面下にかくれ、2千万人が家を失ったり泥水に浸かったため避難、避難といっても体育館や公民館を想像してはいけない。世界最貧国バングラデッシュにはそれぞれ自前で、ナイロンをかぶって雨風を凌ぐのである。
人口が日本よりやや多い1億3千万人なので、2千万人の水害ホームレスがどういうものか見当つきやすい。しかも国旗が盗作かとおもうくらい似ている。白地の代わりに緑地の違いだけで同じ日の丸だ。それかあらぬか気にかかる国ではある。
物価上昇、飲み水、食料、伝染病、とにかく急場しのぎの支援がなければバタバタ死者が出る状況。首都ダッカはよりによって三つの河が出会う河口部にある。開口部の平野という立地条件は東京、大阪もそうだ。ダッカの中心街は腰まで水があふれて、すでに1週間。交通は牛、車から数少ないボートが頼りだ。
先日イラク武装派がバングラデッシュのワーカーを拉致。周囲から気の毒な国民と知らされて解放したが、連中は物事を知らないこと幼児並みだな。
毎年のモンスーンによる被害は習慣になっているので、たいていの水害には驚かない。それを見込んで地方では簡単なワラぶき小屋に住んでいるが、なぜ今年は例年より被害甚大になったのだろう。その原因を生半可な知識ですが、情報を総合すると二つある。
●まず気候異変。
例年以上のモンスーンがバングラデッシュとインドの広い地域に大雨をもたらしたこと。バングラデッシュの東西は少し地勢が高くなっていて、この部分のインドに降った雨は両側からバングラデッシュに流れ込むみ、大半が最後に首都ダッカからベンガル湾に流入する地勢になっている。
●2番目は地球温暖化。
ヒマラヤの雪が解け出し、河は常に水位が高かった。ヒマラヤ山脈は高い上に広大な地域ですから、その斜面に積もる氷や万年雪もまた膨大な量がある。ネパールからブータンまで、その南斜面が溶け出して流れる先は,,,,,,バングラデッシュ。
不幸なことに踏んだり蹴ったりの地理的条件にあった。良く似た水害地帯がパキスタンと中国の文明発祥の河川流域にある。それにくらべれば日本の水害は局地的ですみ、ま、浸水より土砂崩れが怖いが、温泉につかってのんびりできる人の方が断然多い豊かな国である、ゆめゆめ不服を慎むべしですな。政府は救援自衛隊を派遣してはどうか。今年は例年にない大型で湿った台風が日本列島を通過する,,,,,,気候異変です。誰がないといえよう。(了)



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