安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ブッシュ、南米系票田を失う

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〈 Fri, 23 Jul 2004 〉



●ブッシュがの票田だったヒスパニック/ラティーノ(南米系)の支持が、ケリーに移った。ヒスパニックはこの10年で急激に増え、黒人より多く、3500万人。そのうち選挙資格をもつ成人は米人口の5%で、 この層の多い南部ではユダヤ系の票田より影響力がある。
22日、ワシントンポスト他が共同で行った調査結果によると、ラティーノの票はケリー陣営が2対1でブッシュを圧倒している。多岐にわたる調査項目は13ぺージの書類になっているが、一目瞭然の一例をあげると:
大統領鵜選挙がきょう行われるとしたら、あなたはどの候補に投票しますか?

全 国 ラティーノ
ブッシュ,チェイニー 46% 30%
ケリー,エドワード 46 60
ネーダー、キャミージョ 4 2

ブッシュはスペイン語を少し話せる。テキサス州知事時代にはラティーノの得票が大きかったのに、失業率の多いこの層から経済とイラク出費への反感で支持を逃したようだ。2000年選挙、フロリダの決戦では、ゴアに僅差スレスレで勝利はブッシュに転がり込んだが、あれはフロリダ中のキューバ移民がブッシュに投票していたから。
●他方、注目を集める9/11調査委員間報告はいわれるほどブッシュに痛手ではないとおもう。『9/11調査委員会の報告書』が店頭にならびました。9/11と大書されたいかにも政府刊行物らしい表紙。おおよその内容は既に論評し尽くされていて、いまさら分厚い報告書が売れるとは思えないが、これが売れるのがアメリカです。アメリカ人の心には9/11が昨日のように生き続けている。報告書はクリントン、ブッシュ両政権がテロ情報を疎かにしたこと、情報の共有、現場からトップへ縦の流れがない欠陥などを指摘して改革案を提案している。だ一般大衆としては、誰がどこで間違ったか、責任はどこにあるかに興味があるので、この報告書がブッシュにマイナスとか、ケリーを優利に導くと思えない。
イギりスに先例がある。バトラー報告は自殺したケリーにまつわるイラク情報にメスをいれたものでした。結果責任者ナシ、そして次にイラク開戦に伴う情報の誤謬を調査するバトラー司法調査委委員会が米の9/11調査委員会とほぼ平行して行われ、一足先に公表されたここでも責任者の名指しはなかった。情報ねつ造はなかったとし、ドシエーの不正確を突きながら誇大とはいえないなど、ハッキリしない。一週間経ったいま、ブレアにマイナスでもなく、保守党にプラスになっていない。(了)



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