安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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治安警察と武装派のなれあいパレスチナ

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〈 Sat, 17 Jul 2004 〉



●金曜日、ガザ地区の警察長官(ガジ・ジャバリ)が、ジニン殉教団に一時拘束される事態がおきた。ジンニ殉教団とは初耳だが、新しい武装集団が芽を出すまでに悪化している。いまやパレスチナ自治政府は度重なる過激派テロをまったく抑えられない。警察のトップがやすやすと連れ去られるようでは、秩序もなにもあったものではない。
ジャバリ長官はアラファトの意をうけたファタ幹部が交渉して数時間で解放されたが、治安組織内部の抗争がいよいよ危機的になってきた。パレスチナ治安組織の幹部二人(情報局長官とガザt地区の公安委員長)がジャバリ警察長官拉致のあと『もうやっとられん』とばかり、政府/アラファトの治安政策に抗議して辞表を提出。アラファトが受理すればこの二人もすげ替えられる。
●もとはといえば、アラファトがハマスを味方につけて、首相と自治政府の警察に権力を持たせないように邪魔だてするからである。これぞ不死身のアラファト保身の術。そのため治安は常に不安定でトップの地位は目まぐるしく入れ替えられ、悪循環がたちきれない。クレイ首相もアラファトと仲直りしてから泣かず飛ばず、不甲斐ない。
パレスチナの平和独立、復興よりもアラファトは自己の生き残りを生涯優先させてきた。ルマラの半壊した大統領府に軟禁状態ではや2年、サバイブのためならこれしきの不便なんでもないのだろう。穴に潜り込んで逃げ延びようとしたサッダムと気質が似ている。オポチュニストなんだ。
●金曜日夕方にはやはりガザ地区南部でフランスの支援技術者4人が拉致された。覆面ガンマンのリーダーは良く知られた男で、武装派の【赤い新月】本部に拉致した4人を連行、コソコソしない。あきらかに治安警察、無策の政府への挑戦だ。過激派はハマス首脳をイスラエルに殺害されて復讐がおもうにまかせないイライラが溜まっている。こちらの拉致もアラファト、国連、フランス外交官の取りなしで数時間後に解放された。お咎めナシというか、警察は逮捕できるチカラを持っていない。
19日には国連総会で【分離フェンス違法】決議案が採択される見通し。せっかく総会決議を得ても、パレスチナ政府が死に体ではこれをテコに和平攻勢をかけることもできないだろう。(了)



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