安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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フセインとミロソヴィッチの戦犯法廷

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〈 Fri, 09 Jul 2004 〉



●非常事態(戒厳令)実施が可能になった移行政府
7月は休暇のためイラクに関しては6月29日以来になります。暫定政権や治安など予想どおりの進み具です。テロの総量は主権委譲をピークに下がっている。7日、イラク暫定政府が非常事態、つまり戒厳令を宣言できることを定めた国家安全法が発効、アラウィ首相の治安政策は徐々に実行可能になります。これはCPAが、フセインのやった戒厳令の法律を民主主義を建前にするてまえ実施を停止していたサッダムの治安法から独裁色を消して焼き直したものである。米軍は戒厳令をやると正真正銘の「占領軍」になるので、駐留同名軍としてはテロのモグラ叩きに精力を費やした。最も効率の悪い治安戦術だ。
ヤラウイ政権はニラミをきかせるために、非常事態を実施するしないにかかわらず必要な法律であり、騒ぎがおこれば、たとえばファルージャで反乱があれば非常事態宣言、米軍に出動要請するだろう。スンニ市民の反発を買うと心配症の西側見方があるが、そういう輩は中東文化がわかっておらん。中東に足を踏みいれたことすらなくても、ニュースを観察すれば解かる。イラク人は昔から慣れっこで治安には一番いい方法と 納得しています。米軍はザルカウィを標的に5度目の空爆失敗、やみくもに空爆したりするから恨まれるんです。戒厳令のもと、イラク軍と支援の米軍が夙々と市街に入ればよろしい。旧バース党員の採用然り、ある程度のサッダム帰りは必要悪なのだ。
●フセインとミロソヴィッチの戦犯法廷
サッダムの裁判は史上かってないエンターテインメントになるだろう。なにしろボランティア弁護士2000人ですからね。サッダムの娘が資金を出す国際弁護団やその他の支援組織がてぐすねひいて、そもそもイラク戦争は正当か、から始まって個々の虐殺や弾圧を検証すると、いったい何年かかるか。民主的公開裁判となればムゲにスピード審理できそうにない。準備だけで1年かかのではないかと思うぐらい。これがもしヘーグの国際法廷に移ったりしたら途方もないトきとカネの浪費である。イラク人がイラクで裁くのが最良だ。
それにしてもいまヘーグの法廷に弁護士を拒否、被告ミロソヴィッチ自身が弁護役を兼ねて孤軍奮闘している図は、サッダムの大弁護団とは対照的である。ボスニア・ヘルツェゴビナ元大統領ミロソヴィッチの国際法廷はもう4年ですか、いつ結審するとも知れず高血圧のためドクターストップまじかである。村じゅう7000人が殺されたたスレブレニツァ虐殺の責任はだにあるか、結局ミロソヴィッチが指示した確証がとれず生きているうちに有罪判決がだせるか危ぶまれている。



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