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イスタンブール、NATOサミット終わる
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〈 Wed, 30 Jun 2004 〉
● 台風の目、トルコ
トルコの反サミットデモは、警官隊がデモ隊に突入する状況が東京の60年安保を彷彿とさせる。アメリカと軍事的なつながりを持とうとすると、いつでもどこでも激しいデモが起こる。ブッシュはトルコ軍をイラクに派遣せよとエルドガン首相に圧力をかけ、見返りにトルコのEU加盟に尽力してあげようという算段。トルコ国民の側から見ると、あれこれ国策を指図されているようで憤慨するのは自然の成り行きだ。 |
サミットはイラク支援、アフガン治安軍増強に一応の団結してめでたく同意、結束を示したが、具体的な取り決めはすくない。NATOとEUにブッシュが口出しするので、シラクさんはキレたようです。米軍主導のNATOを縮小し、米軍を除いたEU軍の創設を急がねば、そんな感慨をもってうなだれて帰った欧州の首脳 は少なくないだろう。
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トルコはイラク多国籍軍に参加するか、エルドガン首相は参加する肚づもりと私は予想している。NATOは治安軍を派遣しない、イラク警察、治安部隊の教育・養成をイラク国外で行うくらいが関の山。トルコは開戦時に結局同盟軍参加を拒否したことで、近隣アラブ諸国と欧州の多数からソンケイを勝ち得たものの、米を怒らせた。今度は国連決議に沿った派兵なので、国民の反対が多数でも議会の承認に心配はない。
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トルコは10年以上熱心にEU加盟を望んできた。NATO加盟国として、バルカン、アグガニスタンへ分不相応な派兵協力をするなど、よい心証を得ることに努めてきたが、ここ1年形勢がわるくなってきた。
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『文明の衝突はトルコにはない』と、ブッシュは賞賛するけれど、やはりイスラム国が欧州キリスト教のEUに加わる事に根強い疑いがある。バチカンの石頭法王はEU憲法の宗教理念にキリスト教の文言がないと非難しが、あれが欧州で勢力をもつ考えなのす。。欧州は移民の問題、旧東欧圏のエスニック問題をかかえて、異教徒トルコを仲間内にしたくないのが本音である。
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一般的に欧州人が共有するトルコに対する危惧は、ヨーロッパの辺境にあり、密入国、ドラッグ密輸、テロや犯罪者の前線であること。この辺境トルコがEU国になれば防波堤がきれるのでは、そういう怖れが漠然とある。(了)
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●筆者は本日ダブリンへ、そのあとロンドンで2週間夏休みします。コラムはどうなりますか。忘れられないように書こうと思っております。
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