安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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アッと驚くイラーキー

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〈 Tue, 29 Jun 2004 〉



●アッと驚くイラーキー 
28日、朝の10時にイラク主権移譲が成立。当地の時間で11時37分にWP紙のメール速報がはいり、しばしポカーンでした。重警備のグリーベルトの内部にアラウィ首相、ヤワル大統領、最高裁長官などイラク側4人とCPA側からはブレマーともう一人だけ。ごくわずかのメディアだけで和気あいあい、あっさりしたものだ。結婚式も披露宴もせず、市役所へ婚姻届を出して事後報告するような感じですなのです。ただし,今回のマイナス面は、場所がCPA・連合軍暫定当局、米軍施設の奥の院であること。をツンボ桟敷に置かれたイラク国民が祝えないのも無理はない。
サプライズの小泉さんも驚いたでしょう。これはしかしNATOサミット開催中にブッシュが仕組んだ芝居ではない。ブッシュとしては【新生と希望の大式典】をやりたかっただろうに、そそくさと内輪の引き継ぎで幕引きとは。狐につまされたようなイラーキー(イラク人)は半日以上たってもリアクションが定かでないようだ。もっとも市街でのチェックポイントはあいかわらず、同盟軍は多国籍軍に名前をかえて駐留するので、見た目にはなにもかわらない。
●占領終結CPA解散、イラク移行政府へ
ブレマーさんは晴れ晴れとした表情、今日から夏休みになる小学生のようです。CPA解散を宣言して2時間後には、どこへいったのかとにかく軍用機で出国してしまった。でもちょうど1年ぐらいですか、大役を長い間ほんとうにごくろうさまでした。そのあと1時間してネグロポンテ大使が到着、水際立った主権移譲である。自衛隊が医療器具を贈ったり、サマラの子供にコイノボリをあげるのでさえまじめくさった式典を執り行なうが、あれははやりすぎだな。
24日に全省庁の引き継ぎがおわっていたので準備は完了していた。移行政府の、特にアラウィ首相の要望で早くしたのは、式典をターゲットにするテロ計画をケムに巻き対抗措置を有利にするためにほかならない。主権移譲によってイラクはテロリストに乗っ取られるという見方もある。ナジャフはいまやテロリストの聖域になっている………そうかもしれない。だが、移行政権のほうが米軍より民心を得て治安維持対策に安上がりな力を発揮できるとわたしめは主張をまげない。(了)



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