安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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イラクテロ対策、アラウィ首相に追い風

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〈 Fri, 25 Jun 2004 〉



(前回より)反乱に対抗するだけの装備をもたせること。それを米軍が承知するかどうか、承知して武器を貸与するかどうかにかかっている。
ジハード蜂起が多発しているが駐留米軍は援軍を要請していないのでもわかるように米軍はそのつもりらしい。しかるに、イラク治安部隊に貸与する迷彩服やブーツの予備がないんですと。発注済みらしいが 杜撰だな。
●暁の急襲
一遍に100人が死亡320人の負傷者が出るテロ事件というと、飛行機か列車爆破と考えてしまう。木曜日の夜明けを期してアレンジしたジハード戦士マルチ連携攻撃は、自爆ボンブでも出来るゾという結果を見せたので、これじゃまたテロに弾みがつきそうだ。
事をなすとき、中東では日没か日の出を期するようだ。斬首の期限もそう、一斉に各地でカーボンブ襲撃をする今回の場合は特に重要、XX時では意気があがらない。【暁の急襲】を合図に出立して決行が早朝になる。イラクの朝に気をつけるべし。
被害の大半を出した北部モスルでは警察5カ所を攻撃、銃撃戦をするくらいだから、これはバース残党ミリタントが萬を持して総力を結集した反乱。それにザルカウイのスンニ派武装勢力が、スンニ三角の各市で呼応したように思える。 このパターンは今後も頻発、エスカレートするだろう。
●誇りを取り戻したイラク警察、警備隊
しかし、イラク人に被害甚大なテロを絶望的に繰り返しているうちに、喜ぶ野次馬が減ってきた。どこの現場でもカメラに向かって気勢をあげて踊る若者の姿が見られないことだ。振り返ってみれば、同胞に弓矢は引けないとばかり反乱鎮圧を拒否するイラク警備隊だったが、いつのまにか雰囲気がかわりました。同僚の犠牲者が急増するのに反比例して逃げない。米軍の腰巾着から、いっぱしの自主性と、誇りを取り戻したことにほかならない。
さらに、ムクタダ・サドル師のマハディ民兵は、おなじシーア派の首相を潰したくないので停戦を守っている。イラク新政権には吉兆です。木曜、一部主権移譲の完了にあわせて引き継ぎ式が行われ、席上アラウィ首相は持論のタフな対抗措置と厳戒令に言及している。特にアラウィ氏が強硬なのではなく、誰が首相でも強硬になります。調和と寛容では治安を維持できっこない。アラブを治めるリーダーはすべて心得ているように、まず強硬、しかるのち『おとなしくするなら許してやろう』という戦略です。
サウジ政府が武装グループにおとなしくするなら恩赦する旨を発表したとき、西側は面食らったようだが、イラクでの歴史でもファイサル国王がシーア宗教指導者弾圧のあと、おとなしくするならと帰国を許した経緯がある。(了)



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