安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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『話せばわかる』と『問答無用』のあいだ

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〈 Wed, 23 Jun 2004 〉



●馘首された韓国ビジネス戦士
金鮮一さんが身じろぎもせず床に座っている。背後に覆面のテロリスト5人が立ち、一人が声明を読み上げ、その隣で腕組みする目だし黒帽の男は腰に蛮刀を差し……処刑執行人である。火曜日夕方(ノルウェー時間)放映された2度目のヴィデオでは処刑場面を見せなかったが、これはアルジャジーラの良識ある自粛だろう。韓国から送られた嘆願メールの洪水に配慮したとおもわれる。
死に衣装・オレンジ色のジャンプスーツを着せられ同色の目隠しされた金さんは観念したのか、身じろぎもしない。アラビア語の通訳をしていた金さんは当然声明の内容を理解しているだろう。一回目の撤退要求声明にとどまらず、2度目のヴィデオは処刑理由を述べている。米軍に協力する商人というわけだ。死にたくないから観念までの2日あまり、ビジネス戦士を助ける術(スベ)はなかった。
●テロリストへの見方硬軟
官邸に押し入った将校のテロに『話せばわかる』と応対したのは犬飼毅首相。将校は『問答無用』と答えて射殺した(5.15事件)。韓国世論はせめてもの対話と善意の支援に団結したけれど、狂信の徒に韓国民の常識は通じなかった。たとえば韓国のこの社説http://japanese.joins.com/html/2004/0622/20040622184856100.htmlは唖然とするほど甘い。論者はイスラエルの経験と武力行使を永遠に理解できないだろう(賛否は別にして)。
米軍は犯行グループ、ザルカウィ一味のアジトを金鮮一さん馘首発表の1時間後に空爆した。やはりファルージャで、前回のように20人もの巻き添え市民が出なかったものの、また失敗だ。広報官は『一味を発見しだい、いつでもどこでもアタックする』と公言する。失敗はおかまいなし、唖然とするほど辛い。イスラエルの上をいきますな。
●イラク新政府はテロを抑えこめるか
できます。主権移譲後、すくなくともアラウイ首相の新政府は米主導CPAよりずっとうまくテロと争乱に対処できる。要はイラク警察、地方自警団の組織拡大と民兵の反乱に対抗するだけの装備をもたせること。それを米軍が承知するかどうか、承知して武器を貸与するかどうかにかかっている。(次回につづく)
後書き:前回韓国部隊の駐留地を間違っておりました。南部ナシリヤ。すぐにしまったと思ったのですが、なに、謂わんとすることに差し支えなければ構わんだろうと…… 読み手が訂正してくだされ。



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