安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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少子化統計を楽観的に読む

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〈 Fri, 11 Jun 2004 〉



03年の統計、東京都の出生率が1.0を割りました。全国で1.29。少子化が予測より早い。しかしそう悲観するほどでもない。東京都内に住む女性二人のうち一人が子供一人を産んだ、数合わせするとそうなる。これは土地柄環境を考慮すれば上出来だとおもう。むしろ地方の成績が芳しくない。
長い景気低迷ではいくら子持ち優遇策を講じても、そいじゃ子供作ろうと思う人はいない。それでも日本の出生率は急降下する韓国より高いわけで、まんざら悪くない。そのうち求人不足になれば自然にベビーブームがやってくる。政府の国立社会保障・人口問題研究所(http://www.ipss.go.jp/index.html)の中位予測は出生率下げ止まりを07年においた。
下の垢抜けしないグラフは上記研究所の人口推移中位の予測です。これ2000年の実数を基にしている?ま、いいか。
太い線とP,Oは筆者が書き加えた『読み』です。
1950年若者社会から元気に出発して97年に老齢化社会に移行したのがよくわかる。で、右端2050年では働き手【P】5,400万人、65歳以上の退職者【O】3,600万人。あと45年で働き手三人が老人二人を養う時代がやってくる。このシナリオがほんとうなら年金破綻どころか公共施設さえ維持できなくなるが……。
どっこい、そうはならないと読みました。今後は年に100万人以上他界するようになり、これには自殺の増加もふくまれるが老齢人口はグラフのように2020頃から横並びになる。07年頃から出生率の微増【Y】が、太い縦線で示した二人の働き手が一人になる2025年ちょうどその頃、うまい具合に就業人口に回ってくるのです。【P】は点線の高さを保ちます。2P:1Oで行く末平行線をたどり、人口一億あまりの理想的な線でおちつく。二人で一人養いましょう、ぜいたくいわずに。先進国の市民とはそういうもの。(了)



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