安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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D-Day, 60 周年記念式典

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〈 Mon, 07 Jun 2004 〉



●バチカンの横暴
ブッシュ訪欧、といっても行ける国はベルスコーニのいるイタリアしかないのだ。フランスへはノルマンディー式典があるからで、単にシラクに会うためなら難しい。
イタリアでは4万人のデモが待ち構えていた。80%はイラク派兵に反対する国だから予定のうち、意に介しないが100%イラク侵攻に非を唱えている法王に会見要請するのはいかがなものか。大統領選をにらんでカトリックの支持をとりつけるためといえ、くだらない。ブッシュは宗教的に保守派なので堕胎反対などバチカンと一致する点はケリーより多く、その面を法王の口から望んだという見方がある。たしかにモゴモゴと賞賛する発言があった。が、主権移譲と撤退を早急にとフニャフニャ英語で訓示するのをブッシュは畏まって聞いている。【カノッサの屈辱】現代版だ。
法王は、母国ポーランドのイラク出兵やカトリック・ハイチの暴動に無力でありながら、ワールドポリティックに的外れの判定を下す。アルツハイマーで座りきりの法王はまだ引退する気がないようだ。2日後、今日はスイスで7万人に大歓迎された。人は超人的タフというが、なに、行きたいといえばそこへ運んでもらう身分だから驚くにあたらない。外見ほどトシ寄りではないのでフニャフニャのまま長持ちするよ、カトリック信者にウラミはないが、ポープにはゾっとする。
●D-Day
いちばん長い日、史上最大の作戦、ノルマンディー上陸の日。D-Day の60 周年追悼記念式典。こいつはデカイ意味のある式典でした。第二次対戦を総括するまたとないこの日ばかりは、すべての諍いが霧散するエモーショナルな一体感を生み出しました。ま、この日だけだろうが、考え深い思い出はのこる。
ロバート・キャパの従軍写真をはじめ、白黒映像は古めかしいが、考えてみると60年前なんてそう遠くない。 奈良で防空壕に入ったこと、B29 を見た記憶 は遠いが、わたし当地に来てあっというまに33年がすぎた。手のとどく時代である。家内は終戦直後アイゼンハワーを乗せた米艦艇が当地ベルゲンに入港、甲板で手を振る解放者を見たそうだ。
ノルウェーはすぐドイツ軍に占領されたが、地下レジスタンス網があり、ロンドンへ亡命した国王のレジスタンス兵が連合軍に加わっている。北欧で唯一連合軍側に加わった国である。式典にもノルウェーからヴェテラン兵士、近衛兵が行進した。
●ドイツと日本
今回、初めてナチ・ファッシスト敗戦国であるドイツの首相・シュレーダーが参列。戦後は終わったことを印象づけた……果たしてそうだろうか。シュレーダーはSSの墓が混じるドイツ墓地へは行かず、連合軍のうち8カ国の兵士と300人のドツ兵が埋葬されているランヴィル共同墓地で花輪を捧げた。あちらでも靖国のように気を使うハレモノらしい。それに、シラク以外、話しかける各国首脳がなく、独り寂しそうです。ムリしなくてよかったのに。シラクにのせられましたな。
小泉さんがもし太平洋戦争戦勝記念日(アメリカでは終戦とはいわない)に招待されても行かない方がいいよ。ころでプーチンはなんできてたの? やっぱり、シラクにうまくのせられたか。(了)



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