安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ロナルド・レーガン

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〈 Sun, 06 Jun 2004 〉



●疑われた出発
D-Day 60年メモリアルの前夜0時を期してノルマンディーの海岸に打ち上げ花火が
景気よくあがるころ、ロナルド-・レーガンDying-Dayのニュ−ス速報を聞く。
当初、レーガンほど能力を疑わた大統領はいない。世界は二級西部劇のハリウッド俳優を笑い話にした。そのころ私が勤めていた職場のアメリカ人ですら【彼は恥】といい、中東出身者は2丁拳銃のマネをしてからかったりしていました。
●アメリカン・ドリーム
しかし、レーガンのやろうとしたこと、小さな政府、ブルーカラーの減税と 規制緩和による民間主導(レーガノミックス)、悪の帝国ソヴィエト解体と冷戦終結、スターウォー構想による防衛、アメリカの自信と希望の回復 ……宇宙防衛以外の全てをレーガンはやすやすと Happy go lucky スタイルで成し遂げた。テフロン加工といわれた打たれ強さのウラには政策全般を貫く本能的な信念あってのことだ。小手先の批判に妥協しない、およそ【歩み寄り】をいっさいしなかった。
憤懣やるかたないジャーナリストは、財政赤字拡大など、ずいぶん悪口を書いたが、そのころの記者さんたちが現在主要局のアンカーマンである。いささかセンチともいえる再評価に、こそばゆい。いい思いで話を飽きずにきいておりました。
●アメリカン・ヒーロー
政敵パパブッシュを副大統領にして仲良く8年を共にし、またイラクコントラを切り抜けた秘密は、権謀術策やラッキーのゆえではあるまい。手腕というより,野球少年、スポーツアナ、映画界へ、俳優組合から知事へと夢をおい続ける男の心意気の放射といえないか。アウラといってもよい。率直で楽天的でかつ優しい、危険な臭いがしない安心感、野党が野党になりにくい魅力、役者の表現力を加味するとレーガンになる。
レーガンの生活態度にも凡人離れしたところがある。心臓まで数ミリの銃弾を受けながら、70いくつの老人がダック云々の冗談を飛ばす余裕、肉体的にも超人的に回復する。そして引退して5年後みずからのアルツハイマーを発表し、お別れの挨拶を淡々とすませたことも。
●幸せなロンとナンシー
最後は自分が大統領だったことも忘却、近親者がだれか、夫人の顔も声も認識できず、肉体的にも衰弱して空気のようになくなったという。93才、愛妻家ロナルドは献身的な夫人と子供に看とられてベヴァリーヒルズの自宅で逝った。ナンシーさんは最高にいいワイフ。好奇の視線から主人を保護、看病疲れの中にもお二人だけの美しい世界があったとおもう。
よくできたカミさんかそうでないかは亭主のツラを見れば想像がつく。クリントンの寂しげな目、カーターの孤独な陰、プリンス・チャールスの捨てバチな顔は最近よくなったでしょ。(目つきが悪かったり,落ち着きがないのはカミさんのせいではなくて亭主側の問題)
さて国葬には各国首長が勢揃い。イギリスからはサッチャー、ブレアはもちろん、エリザベス女王も出席するだろう。ブッシュはG8首脳を連れて帰ってくるんじゃないかな。警備がたいへん、テネットさん大丈夫かいな。(了)



Pnorama Box制作委員会

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