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『自由イラクはテロへの決定的一打』
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〈 Wed, 02 Jun 2004 〉
A Free Iraq will be a decisive blow to terrorism at the heart of its power and a victory for the civilized world and for the security of America.
最後のところはアメリカ国内向けとして、ブッシュさんいつもの信条に一段とハリがありました。イラク暫定政府閣僚全員決定につき記者会見、ホワイトハウスの庭に朝日を受けてブッシュさんは輝いて見えました。こういうウレシさはおそらバグダッドでくサッダムの像が引き倒されて以来だろう。 |
わたし、ちょうど昼寝どきだったので偶然ライブTVを見たのですが、ブッシュ饒舌でした。The last question といいながら何度も質問に応じるご機嫌、 最後CNNのジョナサン・マンに答えてやっと退場。演説は5〜6分でしたが、質疑は1時間ぐらいかけたようにおもう。特筆すべき会見だったな。
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●ブラヒミ、失敗は成功のもと
閣僚名簿の出来栄えですが、詳しい人物像は知らずとも文句のつけようがないほど、まず最良のコマが勢揃いしたのではないか。なにより統治評議会が人選に一致しているのが心強い。これもブラヒミ特使の内助の功です。最初いやがって固辞したブラヒミ氏に三顧の礼で願い倒したのはブッシュ米です。このこと当時のコラムに書きましたがブッシュさん正解でした。もっともブラヒミ氏が推してきたテクノクラートをトップにつける計画は首相候補でつまずいて表面的には不成功でしたが、この経過を通してIGC(統治評議会)が一方向へまとまって動き出す状況ができた。いそがばまわれ、失敗は成功のもと、それともブラヒミさんの人徳か。 |
●暫定政府の人物寸評
またブラヒミ氏は大統領に、自分と性格的にも年格好も近い良識パチャチを推していたが、挫折。IGC(統治評議会)、ブレマーのCPA、それにブラヒミ国連が三つ巴ですったもんだした割にはいい玉に落ち着いた。しかも評議会、すなわちイラク人の意見が勝った人選だ。スンニの玉ガジ・ヤワルだって悪くない。別にアメリカ仕込みの学歴がどうのというんじゃなし、米軍施政への批判的言辞はヤワルもパチャチも遠慮しない。 |
おもうにIGCの同意が得られないとして辞退したパチャチはエライ。聖職者を政治に関与させないように計らったシーアのアヤトラ・シスタニ師もエライ、見直しましたぞ。
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実質的なイラク政局を舵取りするイヤド・アラウィ首相はサッダムとの権力争いに負けて、亡命先ロンドンでサッダムの刺客に危うく殺される大けがをしている。CIAの資金援助で亡命政党を興し、英米の後押しでクーデターを試みたが大失敗。あとビジネスマンで成功した現実派で、英米との関係は密接だが、お世話になったわりには庇護者を馬鹿呼ばわりする頼もしい人だ。
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私が以前からデキルと目をつけたジバリ外相が留任したのもよい。33人の大臣とはちと多すぎるようにおもうが、うち6人が女性。画期的な暫定政府の門出を祝おう。
(了) |
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