安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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インド人もびっくり

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〈 Wed, 19 May 2004 〉



● ソニア・ガンジー、首相就任を固辞
‘The post of Prime Minister is not my aim. My inner voice tells me that I must humbly decline the post’4行ぐらいの実録を縮めた趣旨:
『首相の地位を目指したことはない。内なる声に従い、謙虚にこの任を辞退する』
そのとたん会議派議員総会会場は驚きのドヨメキ、総立ちです。惜しむ者、それはないよとコブシをあげる人。伝え聞いた群衆が思い直してくれるよう叫んで会議派本部まえに集まってきた。メロドラマのように泣かせる政変劇ではある。
●メロドラマ辞任劇
ガンジーさんのコングレス党(会議派)がバジパイ首相のBJP(インド人民党)を破って3日目には連立与党が会議派総裁のソニアさんを首相に推すことで一致。それからだ、野党に落ちたBJPから人身攻撃が一斉に激しくなった。イタリア人であった出自が首相にふさわしくないという。いわばインド硬派の国体護持論です。これは相当ソニアさんに堪えた。これが辞退の第2の理由である。もし私が【外人だから入れてあげない】なんて言われたら自閉症で1週間は死に体ですわ。
月曜に株が10数パーセント落ちて火曜日に戻したなんて理由にならない。金融界の思惑はインドの大多数にはよそ事である。
さて、会場のメロドラマその後であるが、ソニアさんの説明を聞かないで議員さんたちが口々にプロテスト。やっとソニアさんの弁がおわると議員がマイクをつかんで順に勝手な演説、無理矢理に、あるいは泣き落としで首相に就任させようと、3時間ほど続いたという。‘Please Madame, please donユt go’
ソニアさんは『決心を覆す事はない。私を信頼してくれるなら私の決定に委ねてください』。こうしてインド映画のように幕がひけたのですが、肝心の後継者を選出するにいたらず。だが、ソニアさんが官僚出身で元財務省のマンモハン・シン氏を推しているのはよく知られている。経済界に受けがいいし この人で水曜日に決まり
ですね。
決まりではあるけれど、ネルー/ガンジー家に託す悠久の国の民衆のデモは1日で収まるものかは。 ソニアさん数日は休まりませんな。
メロドラマのおまけ:二人の子供ラウルと娘プリャンカは母に、自分がいやがる首相になってほしくないと嘆願。これが第1の理由。ところでプリャンカさんは美女ですぞ。また映らないかなとTVをパチパチしてるわたし。第3の理由は野党BJPが国会をボイコットする動きを見せたこと。
インドの首相は高潔な人が多いとBBSにかきました。ソニアさんの身の処し方は立派です。名家の名誉を守った意味でも。(了)


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