安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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小泉訪朝の対価と ジェンキンス

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〈 Tue, 18 May 2004 〉



● 朝貢外交 ?
北朝鮮にコメ支援25万トンを送ることが内定したようです。北朝鮮は『してやったり』、ほくそ笑んでいるでしょう。人質をたてに援助をせしめる恫喝外交がやっぱり有効なんですね。拉致被害家族8人の人質をさんざ焦らしたあげく、帰国させてもよいのひとことに飛びついていいのかな。少しこちらからも条件をケチって焦らしてもよかったとおもうのだが。
中国と韓国からは黙っていても食料、石油、現金が手に入る。国連食料計画を通して日本、アメリカなど各国から貰って、さらに日本から25万トンもコメ援助をおみやげに訪朝する。朝貢外交の現代版。北朝鮮の国民には拉致のこと食料援助のこと、何も知らされていない。供給されるものはすべて将軍様のお情けという建前だ。提供側としておおらかにいきたいが、やはりシャクにさわる。
北が【拉致問題は平壌宣言で解決済み】から【一時訪日の5人を返した上で交渉】【5人が迎えにくればよい、家族の帰国訪問をゆるす】と変化した主な要因は『改正外為法』でしょう。すると北に対しては廃絶対発動しない約束をする必要がある。どういう条文になるのか。また特定船舶入港禁止法案は廃案になるかも。この件では石原知事の出方がおもしろくなるぞ。
●ジェンキンス出国は難しい
「死亡」とされる横田めぐみさんら十人の安否確認について、新しい情報があるのかあまり期待できない。ジェンキンスさんについては随分虫のよいお願いを米にしているようです。この米人はコラム【ジェンキンスという人について】02年11月19日で疑問を呈しました。休戦後7年もたった1965年に新生活を求めて北に入国した脱走兵、共産主義に憧れた反祖国の確信犯です。北では協力者として優遇され特権階級にいた人であり、拉致され強要されて従った5人とは根本的にちがう。
祖国を売った脱走兵は国防総省の管轄事項であり、ハイレベルで決める問題ではないだろう。とまあ基本を抑えたうえで、日本へ家族訪問する間は訴追を免れるくらいの措置がとられるのではないか。ブッシュはジュンをたいへん恩に着ているので小泉首相の頼みがいくら気に入らなくてもを邪険にはしない。ブッシュのイラク政策を今まで面とむかって一度も非難していないのは、日英豪だけですからね。
しかし、米はジェンキンスが持っている北の情報に興味あるので、事情聴取の権利を残したい。日本のマスコミ、読者はシツコイ。多難、北は出国させないだろう。(了)


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