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セイモア・ハーシュの一撃
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〈 Mon, 17 May 2004 〉
● 雑誌『ニューヨー カー』がラムズフェルドにパンチ
ラムズフェルド国防長官はさきの公聴会証言について、ボデブローと形容していましたが、今度は雑誌『ニューヨー カー』にきれいなストレートパンチを食らってグロッギーですね。 ニューヨーカー電子版15/16日のトップ記事 メTHE GREY ZONEモ に、秘密尋問法について詳しく経緯が書かれている。しかし目通ししたかぎりではラムズフェルドが承認したのは、【事件後禁止になった睡眠をとらせない・同一姿勢の強要】などを含む尋問ガイダンスであろう。ドンはまだKOされていない。 |
だが記事を書いたのがセイモア・ハーシュ、となるとただごとではないぞ。ラムズフェルド、マイヤー、ライスが了承し、大統領にも耳打ちしてあったといショッキンギな暴露です。しかし雑誌、署名記者とも一流で信憑性が高い。ホワイトハウスは根も葉もないと否定するけれど、CIA情報機関と尋問将校上層部がアフガンで実施した対アラブ尋問法を取り入れたのは疑いなさそうです。昨年8月ごろから、イラク各地でテロが激しくなり、尋問を厳しくしたのが一連のアブグレイブ刑務所における性的虐待に発展したという。
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とても長い記事ですが、ここにあります。
http://www.newyorker.com/fact/content/?040524fa_fact なぜ裸にしてオスロのモノリッテンのように組み立てたり、女性看守をわざわざ立ち会わせるのか。恥辱を与える目的なら性的でなくてもよかろうに兵隊さんの性向かしら。と、あまり考えなかったのですがその辺の疑問を晴らす記事が後の方にありました。 |
●アラブ人攻略のバイブル『アラブの心』
ラファエル・パタイ教授というプリンストンやコロンビアにいたアメリカの文化人類学者が1973年に出版した『アラブの心』メThe Arab Mindモという 本がある。著者は8年前になくなったが、この本にある【アラブとセックス】という章28ページには、アラブ特有の性に対する恥の文化が詳述されているそうです。情報官たちはこれを逆手にとって、性的侮辱が骨抜きに一番有効であると、勉強会をしておった。私事に属することを人前で、特に女性のまえで、さらに写真を撮ることでイラク拘束者の恥辱が乗算されるのです。この秘密尋問法が刑務所でおこった憲兵/看守たちの虐待ゲームになって現れたという。ただ人間ピラミッドでは顔を袋隠しないと抵抗がはげしく作れなかったということか。 |
さる情報官がセイモア・ハーシュ氏に以下のように結論。なんともはや暴力の化身みたいな軍人だわい。”The Patai book, an academic told me, was “the bible of the neocons on Arab behavior.” In their discussions, he said, two themes emerged―“one, that Arabs only understand force and, two, that the biggest weakness of Arabs is shame and humiliation.”『パタイ教授の本はアラブ行動を理解するうえでネオコンのバイブル、引き出した結論はふたつ、1. アラブ人には武力しか通じない。2. アラブ最大の弱点は恥と侮辱』
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余談:マッカーサー占領軍はルース・ベネディクトの矛盾だらけで要領を得ない『菊と刀』をバイブルにしたおかげで、方針がたてられなかった。よかったのやら情けないやら。(了)
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