●ドン長官、判定勝ち
金曜日の夜、ドナルド・ラムズフェルドの議会証言を聞いていて改めてドン(Donald)のタフさにつくづく感服。ごく一部を聞いただけですが聴聞は６時間も続いた。よくやるよ。ドンは学生時代にレスリングやっていた故か、体力がある。相当ヒートした場面があったのに最後までカンシャクを押さえて切り抜けました。

刑務所虐待について冒頭の主張で謝罪、建国以来の珍事【ホワイトハウス総懺悔】が現実になりました。全責任は我にあり……いくぶん開き直った謝罪ですから、イラクの反応は予想したとおり、『遅すぎる、誠意がこもってない』として受け入れられなかった。証言の模様はアルジャジーラでも放映され、バグダッド市民の声はハンで押したような否定的言動です。バグダッドでの米軍記者会見では、ラムズフェルドが明らかにした虐待被害者と家族への賠償について“その額はいくらかですか”と問いただすゲンキンなアラブ記者がいました。

●ブッシュとラムズフェルドが支える米軍の士気
米国で我民主党内にはラムズフェルド長官の辞任要求がたかまっている。この不祥事に勢いをつけてケネディ議員が公聴会で迫ったり、ケリー候補も辞任すべきとぶちあげているが、もうすぐイラク政権移譲の６月３０日、このイラク大事のさなかに交代すれば混乱するばかり。700人の同僚を失っても兵士の士気が衰えないのはどうしてか。ブッシュとラムズフェルドの精神が伝わるからですよ。この面ではライス、ウルフォビッツ、チェイニ ーなどはおなじタカ派でも兵士との絆はラムズフェルドの比ではない。
虐待の写真はまだ百枚ぐらいあるだろう、ヴィデオもある。ほとんど同じころ、昨年の10月から12月にかけてゲーム感覚で囚人をもてあそんだ画像だ。その後、事態はt駐留軍内部で調査改善され政権移譲にむかって現在アブグレイブに収監されている8000人は順次4000人まで縮小することになっている。

また、米軍がイラク警察官を養成する訓練で、見下した態度や侮辱的コメントに反撥をかってきたことが知られている。訓練終了の給料をもらうと半数が警察官にならずやめていく原因のひとつだった。そしてこれらの『あってはならない』間違いは、関係者のあいだで自浄作用が進んでいる。スキャンダルを政治的に利用すればシッペ返しを受けるだろう。（了）

●ワシントンポストの世論調査；
ラムズフェルド国防長官は囚人虐待の責任をとって辞任すべきか
　　　　　　　　　　　民主党　　共和党　　　個人　　　総合
辞任すべき 30% 11% 17% 20%
留任すべき 　　　　 58% 82% 73% 69%
わからない/無回答 　 12% 7% 10% 11%