安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ブッシュ 、イラクに謝罪するまで

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〈 Fri, 07 May 2004



●ことばの障壁
ブッシュの口から、イラク捕虜虐待に謝罪の弁がでました。謝ったら済む問題ではないけれどアブドゥラ国王との共同記者会見の場でイキガカリ上、ソリーを絞り出した感じ。ソリーの一節ではなんともはやショボクレタ顔に威厳と権威のかけらもないブッシュ君でした。昔日のアメリカ坊やが先生に叱られると、ちょっとふてくされてゴメンチャイする、あの雰囲気です。
前日、アルジャジーラ、アルアラビアと米のアラビア語TVアルフウラに放映されたインタビューでは“胸くそが悪い、吐き気がする、関係者を処罰する、あれはアメリカを体現したものではない”などアラブに受け入れられる発言からはじまり、そこまではよかった。そのあとがいけません。アメリカの善意、民主主義、イラクを助けるために日夜アメリカ兵士は崇高な努力そしているなど、正義のミッションを "Iraqi people must understand "
という語句で始める。何度このスターターを使ったことか。
欧米人は特に気にせず“判ってくれよ”ぐらいの意味で must をよく使いますが、これってアラブやアジアで不用意に言っちゃいけないんです。断定的命令に聞こえますから反撥されます。せっかくアラビアTVに出演して誠意をあらわしたつもりが、よけいに非難をうけたしまった。チャンと謝れ!頭が高い!
●キング・アブドゥラの助言
ファルージャ戦闘のため延期になっていたヨルダン国王との会談でブッシュは中東イラク政策について、痛いアドヴァイスを熱心に聞いたもよう。若いアブドゥラ国王に破格の賛辞を述べています。アラブ/中東で米のともだちといえる国ば二人の親の代からヨルダンだけです。ヒズボラを抱えてはいるが、大事にしなきゃ。エジプトやサウジはゲオポリティックの枠内である。
ホワイトハウスでの記者会見では、"Iraqi people must understand "がなくなり、かわって“My desire is メ が頻繁にもちいられた。言わんとする内容はおなじでも 印象がずっとよい。さて、ブッシュが謝った。イラクの反応はおそらく謝り方が悪いとか足りないとか、別によ好転しないだろう。キチンと後片付けできればそれはそれで立派なこととおもう。
キミット准将、ブレマー行政官がさきに謝罪し、地上軍のサンチェスは3月すでに53ページの報告書を提出し組織的だったこともきらかにされた。米軍はアブグレイブ刑務所での虐待が暴露されて以来、非常によく調査している。他の軍事大国の中国やロシアではありえないことです。金曜日の公聴会でラムズフェルドは怒り口調で謝るかな? 建国以来の珍事【ホワイトハウス総懺悔】がブッシュ政権で現実になるかも。
米国内でブッシュの人気、支持がこの不祥事によって落ちるだろうか、むしろ若干上昇すると予想しています。危機にさいしての処置が適切であれば頼られるのです。そういう例はいくらもある。危機に至らずダラダラ悪くなるのがいちばんいけない。株市場と同じ原理です。(了)


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