安達正興のハード@コラム

Masaoki Adachi/安達正興


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ノルウェーからクジラ肉 輸入まじか (その2)

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〈 Fri, 08 Mar 2002 〉

グリーンピースは世界のどこでどんな環境破壊が起こっているか、起こりつつあるかを把握し、直ちに活動家を送り込む大規模な組織である。目的は万人の共感をよぶものであっても、運動の推し進め方、行動に傍若無人で是認しがたい。捕鯨全面禁止の運動は特に過激で、感情的であった。
捕鯨船の大きさは大小さまざま、ノルウェーの場合はおもに近海なのでこれが?とおどろくほど小さい船で舳先のモリに気が付かなければクジラ船だとわからないだろう。長さ20メートルぐらいで乗組員5〜10人だ。このちっぽけな船を力ずくで出港させなくしたり、操業のじゃまをするのはたやすいようにおもえる。しかも世論は捕鯨モラトルアムを守る活動家の味方だ。というわけで1993年商業捕鯨再開に抗議するため、アメリカを筆頭に各地から活動家が意気揚々と北ノルウェーの漁港に集結した。ところがどっこい、彼らの戦略は市民の冷ややかな総スカンをくって挫折したのです。その顛末。
○ ゴムボートで航行を阻止しよと捕鯨船の周囲を走り回った。普通ならあぶなくて船のほうで止ってくれるハズがノルウェー漁師はとまらない。実際に接触事故があって、ゴムボートが損傷した。勝手にぶつかってくる方が悪いので、活動家のワメキをよそに警察は無視。
○ 船にのりこんでデッキに体をチェーンで括りつなぎ、出港を阻止。しかし乗組員がガスバーナーを持ち出して、チェーンを焼き切る強烈な反応、不法進入を排除する唯一の方法だ。活動家は真青になって悲鳴をあげた。まさかメディアやテレビカメラ、衆人環視のなかで予想だにしなかっただろう。しかも助けが来ない。警察は中立。
○ 鯨漁師をバックにする「沿岸党」の国会議員が一人いる。名物議員なんですがこの人が 、船にあがった女性活動家を抱き上げて海に放り込もうとした。活動家は桟にしがみついて難をまぬがれたが、こんな手荒な扱いを受けるとは夢にもおもわなかった。正義はわれら活動家にありと確信して意気揚々とやってきたのに・・
○ 活動の中心人物MRワトソンは器物破損など違法行為でノルウェー警察から逮捕状が出された。2度とこの国に入国出来ない状況だ。国民もメデイアもエコロジーを守るワク内での捕鯨の必要性をよく知っている。警察は違法行為は違法行為として取り締まる。このとき以後、この国でグリーンピースの活動が急激に衰退し、かわってこの国独自の環境団体が市民に受け入れられる方針で活動するようになった。感情にとらわれず、口当たりのよい運動には安易に迎合しない、疑ってかかることが大事ではないか。理不尽な国際世論をこの国が乗り越え、勝利した事件でした。
クジラの話し、言い残したこと多いので次回も続けさせていただきます。

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Pnorama Box制作委員会

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