安達正興のハード@コラム

Masaoki Adachi/安達正興


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Georgia on my mind その2
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〈 Sat, 02 Mar 2002 〉

Georgia in my throat(のどにささったジョージア) のロシアが、米軍と肩を組んで♪Georgia on my mind♪(わが心のジョージア)を唄う意外な展開になりました。ブッシュ大統領は、タリバン攻撃にさいしロシアと共闘するためチェチェン共和国独立運動をテロであると了承した経緯があります。プーチンさんはこの了解を逆手にとったようです。ブッシュ&シェヴァナジエ組みとプーチン・ロシアの間に、グルジア国内のチェチェン活動家を封じる約束があったのかどうか、約束とまでいかなくても合意ぐらいあっただろう。
パンキシ・グルジと呼ばれる北部国境地帯は無法地帯である。チェチェン兵士や難民だけでなく、麻薬仲介者、盗賊、得体の知れない外人兵士などがたむろしているといわれる。シェヴァナジエ政府がこの無法地帯の制圧にロシアではなくアメリカの支援を求めていたのは事実である。
プーチン大統領は「中央アジアに可能なことがグルジアに認められないはずはない」と今日の記者会見で話した。額面どおりだろうか。黒海にめんするグルジアは、ウズベキスタンやタジキスタンなどアフガンに隣接する国と同等に論じるわけにいくまい。それならバルト3国がNATOに加盟したりアメリカ軍が駐留しても、ロシアはクレームつけられないロジックに落ちいる。
筆者が黒海とカスピ海周辺の石油資源地図を描いていたころ、チェチェニアの首都グロズニーは激しい空爆を受け廃墟と化した。チェチェンには戦車も爆撃機もない。廃墟の街で侵攻したロシア軍と厳寒のなかで肉弾戦を演じていた。真冬だった。難民もゲリラも区別しない悲惨な闘争でした。
ロシアが石油資源豊富なチェチェニアを放棄するはずがない。そういうわけでこの地域=チェチェニア、ダジスタン、カルミキアにどうしても目が向くのです。プーチンさんの意図は、独立国グルジアの自主を尊重するかわり、チェチェンをロシア連邦にとどめる・・そんな気がする。

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Pnorama Box制作委員会

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