安達正興のハード@コラム

Masaoki Adachi/安達正興


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テロとの戦い、つぎはどこだ!

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〈 Tue, 26 Feb 〉


WAR ON TERROR : WHERE NEXT? : MAP

本日のコラムはアメリカがテロとの戦いが起こりうる地域、国家を整理してお届けします。
出典はBBC、よくまとまっているのでよい資料になる。それでは読者に日本語でサービスしなきゃ・・訳しておきました。すこし新しい情報を筆者が書き添えました「完全保存版」!
それでも原典がいいとおっしゃる凝り性の方は下記へ勝手にどうぞ。
http://news.bbc.co.uk/hi/english/static/in_depth/world/2001/war_on_terror/what_next/
WAR ON TERROR : WHERE NEXT?
アフガニスタンでの戦争がほぼ終わった一方で、アメリカはテロとの戦いは今始まったばかりであると繰り返し言明。ワシントンは戦いの第二段階に移行、世界各地でひそかにまたは公然と活動を開始した。目的は二つ、
1)テロリストの基地を封じ、テロリストを裁くこと、
2)生物化学兵器や核兵器を製造蓄積する国々の脅威からアメリカと世界を守ること、である。
イラク
9.11同時多発攻撃とイラクを直接結び付ける証拠はないが、対テロリズム・キャンペーンにしばしば目標として取り沙太されている。ブッシュ大統領は年頭一般教書において、イラクがあいかわらずアメリカに敵意をみせつけ炭疽菌、神経ガス、核弾頭の開発を12年以上続けている。バグダッド政権に国連の兵器査察受け入れをを再開するよう、さもなくば苦しむ結果になると通告済みだ。イラクをどうするか、まだ決まったわけではないが、専門家の見る最もありうる選択は空爆実施、それも前回1998年12月の規模を上回る可能性が高い。(筆者:すでにイギリスは支援を了解したもよう。ゆくゆく大量破壊兵器の情報を公表し5月攻撃がささやかれている。そこへイラク側が国連に「無条件の対話再開」を求めて近づいてきた。国連査察団の再開がカギだ。一度は受け入れてもすぐまた査察チームのじゃまするだろう。楽観はゆるされない。)
イラン
イランはブッシュ大統領が一般教書演説で危険な政体と名指しした国だ。北朝鮮、イラクとともにこれら3国を「悪の枢軸」と糾弾した。またブッシュは9.11テロ事件のあと、3国の動きがかなり静かになっているとも言った。しかしイランは積極的に大量破壊兵器を追い求めテロを輸出しており、このようなことは放置できないと警告している。とはいえアメリカが具体的にどのような措置をとるか、まだ明瞭ではない。
悪の枢軸発言以後、国内の原理は過激分子を締めつけたり、対米姿勢が和らいできた。
ウズベキスタン
ウズベキスタンはアフガン戦争において、米機が領空を飛行するのを許可し、人道援助物資輸送のために空港を提供した。ウズベキ政権は国内にイスラム武装グループの問題を抱え、タシケント政府の親米協調は国民の反感をかっている。ワシントンはこのウズベキスタン・イスラム運動(IMU)がアルカイダと連携しかねないので地域を脅かすとして根こそぎにしたい。そのためならウズベキスタンが政府反対グループを弾圧するのを黙認し、さらに支援するだろう。
タジキスタン
アメリカと欧州諸国は、アフガニスタンの北に隣接するタジキスタン領土を使わせてもらって軍事活動を行ってきた。情報によると、アルカイダがタジク政府に反抗するイスラム組織を訓練し、支援している疑いがある。タジキスタンは強く否定しているが、イスラム過激派が国内に訓練基地を持つことを容認しているとして、隣国から非難された経歴がある。
イエメン
イエメンはオサマ・ビンラデンの根拠地だ。イエメン沖で米艦コールが爆撃され17人のアメリカ兵が死亡したテロ事件の犯人は、ビンラデン一味が背後にいる…アメリカの疑念が拭えない。
昨年の12月中旬、イエメンの治安軍はアメリカ情報員の支援をうけて、アルカイダ組織のメンバーを匿っているとおもわれる山岳地の村を攻撃した。この行動は9.11以来はじめて、アラブ国家がみずから軍事力を使ってアルカイダに関係する怪しい武装グループと交戦したわけで、テロに対するアメリカの戦いが第2段階にはいった特筆すべき事件である。
スーダン
1998年初頭、ケニアとタンザニアで起きた米大使館爆破事件で、アメリカは犯人とされるアルカイダ一味とスーダンが結託していると非難。同年スーダンにミサイル攻撃を行った。アメリカが緊急時対策としてスーダンの目標、オサマ・ビンラデンがアフガニスタンに移る前に住んでいたベースキャンプを目標に、これを叩く計画を立てていた。しかるに、9.11以後のスーダンは進んでテロリスト容疑者を逮捕、かつ容疑者を引き渡したので現在小康をたもっている。
ソマリア
アメリカはソマリアにアルカイダの基地があると主張する。そして米海軍の小艦隊が現在シーレーンをパトロール中。ムスリムの国ソマリアは中央政府がない。いわば無政府国家であり、競い合う戦国武将が封建領土を支配している。ソマリア暫定政権の首相 ハッサン・アブシル・ファラーはアメリカの要求を強く拒否しつつ、同時に、アメリカ軍の調査チームをがソマリアに派遣して、ほんとうにアルカイダの一味が居るのか確かめてはどうかとも表明。
インドネシア
インドネシア国内のイスラム武装グループが支配する地域を、アメリカが攻撃目標にするのでは…と懸念される。インドネシア国家情報局の長であるヘンドロプリヨーノは、アルカイダのメンバーがスラウェシ島で闘争していることを認めた。地域の武装グループ、たとえばラスカー・ジハードはキリスト教徒に反対する民衆を数千人訓練しており、アルカイダのネットに組み込まれていると信じられている。ところがインドネシア治安軍はイスラム武装グループ鎮圧に熱心ではないので、ワシントンはイライラがつのるばかりだ。
マレーシア
9.11以来、オサマ・ビンラデンのアルカイダ・ネットワークとつながりが疑わしいイスラム武装グループが多数逮捕されている。情報局、警察などによれば東南アジアにおけるアルカイダの浸透が予想以上に深い。9.11でハイジャックに加わった二人、カレダル・ミダールとナバク・アルハムジは、他の名の知れたアルカイダメンバーと一緒にクアラルンプールで会っているところを撮影されているという情報がある。
フィリピン
ムスリムのアブサヤフ・ゲリラはビンラデンとも関連があるとされる。アメリカは、アブサヤフに対抗するマニラ政府の活動を援助するため、物資輸送や戦略ロジスチックに手を貸している。インドネシア南部で活動するゲリラ掃討のために訓練をおこなったり、戦略をアドバイスする仕事だ。フィリピン政府はアブサヤフガアルカイダから武器供与、訓練や物資補給を受けていることを確信。また、アブサヤフがアルカイダ・ネットとリンクしたのは1990年代はじめ、最近の誘拐事件は「アルカイダが押した指紋の一部」であるとみている。最近では派遣されたアメリカ軍と現地の人民の軋轢が問題化している。
北朝鮮
アメリカに対する9.11テロと北朝鮮を結び付ける証拠はなにもない。しかしブッシュ大統領は平壤にむかって、テロとの戦いで一目標になる可能性があると警告。年頭一般教書スピーチでは、世界で最も危険な数少ない政体のひとつと発言。北朝鮮はミサイルや大量破壊兵器を蓄積、国際テロリストの武装に一役かうのではないかと非難した。イラク、イランとともに北朝鮮を「悪の枢軸」と評した。
警告は具体的な行動に言及せずあいまいだが、事があればアメリカは総攻撃に出るかまえである決意表明がヒントであろう。

Pnorama Box制作委員会

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